第4話『昔もいまも、同じ空の下』

PART 6

57 セリフ3 人物
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  1. 吟子

    はぁはぁ、梢先輩……やっぱり、速い……。

  2. ふふ、ふう、お疲れ様。

  3. 吟子さんは地元の方々に、なかなかの声援を浴びていたわね。
    まるで駅伝選手みたいだったわ。

  4. 吟子

    うっ……。 みんな朝早いんだから……。
    別に、ぜんぜんですからね。

  5. あら、いいじゃない。 励みになるでしょう?

  6. 吟子

    それは、まあ……。

  7. 花帆は……まだ少し、かかるかしらね。

  8. 吟子

    あの、梢先輩。

  9. 吟子

    去年のラブライブ!って、どうだったんですか?

  10. ずいぶん突然ね。

  11. 吟子

    す、すみません。
    えっと……私も、より具体的な目標としてラブライブ!を目指すために、

  12. 吟子

    なにかこう、心構えなどをご教授願おうかと……。

  13. それはいい心がけだわ。
    でも、そうね……。 言葉にして伝えるのは、少し難しいわね。

  14. 吟子

    というと……?

  15. 私にとってラブライブ!の決勝は憧れの舞台、
    そこに立てたのは嬉しかったし、誇りでもあったわ。

  16. けれど、まだなにかを成し遂げられたわけじゃないから。

  17. あなたに言えることがあるとすれば、怪我には気を付けて。
    クラブの仲間を大切に。

  18. 一歩ずつ研鑽を積み重ねましょう。
    そんな、当たり前のことばかりね。

  19. 吟子

    でも、どれも大切なことですよね!
    ありがとうございます!

  20. じゃあ今度は私の番。
    吟子さんは、どうしてそんなに伝統の文化が好きなの?

  21. 吟子

    えっ? それは……。
    花帆先輩には、ちょっとお話したんですけど……。

  22. 吟子

    私、子どもの頃から、
    このあたりの職人さんたちが友達で、よくしてもらってたんです。

  23. 吟子

    けん玉、あやとり、いろんな遊びを教えてもらいました。
    どれも、私と同年代の子は、知らないものばかりかもしれませんけど……。

  24. 吟子

    すごいんです、職人さんたちは。
    みんな、私の生まれるずっと前から、ひとつのものに打ち込んでいて。

  25. 吟子

    気が遠くなるぐらいの年月、勉強し続けて。

  26. 吟子

    本当に尊敬します。 私なんて1か月の刺繍で、
    指が痛くなっちゃうのに……。 格好いいと、思います。

  27. 吟子

    だから好き、なんですけど……。
    答えは、これで大丈夫ですか?

  28. 素敵な答えだったと思うのだけれど、大丈夫、というのは?

  29. 吟子

    あ、いえ。
    梢先輩の聞きたいことに答えられたら、いいんです。

  30. 吟子

    ……だから私は、ラブライブ!に優勝したくって。

  31. 吟子

    職人さんたちみんな……おばあちゃんだってそうです。
    加賀繍の技術は、ちっぽけな私なんかより、ずっとずっと価値があって……。

  32. ……。

  33. 吟子

    だから、私が伝統の文化にできることはなんだろうって考えたら、
    これを伝えることなんだ、って。

  34. 吟子

    昔の人が紡いできた想いを、未来に届けるために。

  35. そう……。 その志は、立派だと思うわ。

  36. 吟子

    それに……。

  37. 吟子

    わ、私だって、梢先輩のお力になりたいです。 一緒に過ごした時間は、
    花帆先輩には、ぜんぜん、勝てないかもですけど……。

  38. まあ。
    ……ありがとうね、吟子さん。

  39. 吟子

    いえ、すみません……私なんかが調子に乗って、出過ぎた発言を……。

  40. その気持ちが嬉しいわ。
    あなたも私の、かわいい後輩だもの。

  41. 吟子

    ……っ。

  42. 吟子

    わ、私!

  43. 吟子

    慈先輩のことも、綴理先輩のことも尊敬してますけど、
    でも、いちばん尊敬してるのは、梢先輩ですから!

  44. あら……。 いちばんは花帆じゃなくて?

  45. 吟子

    えっ!? なんで花帆先輩の名前が!?

  46. 花帆

    やっとついた~~~!

  47. がんばったわね、花帆。

  48. 花帆

    あたしがんばりましたぁ~~~! 梢センパ~~~イ!

  49. よしよし。
    でもいいの? 後輩が見ているわよ。

  50. 花帆

    うう~。 このままじゃくじける5秒前なので……
    背に腹は代えられません~……。

  51. 吟子

    ……まったく、花帆先輩は。

  52. 吟子

    ほら、ちょっと休憩したら、またもうワンセットいくよ!

  53. 花帆

    え~!? あと1時間ぐらい休んでからにしようよお~!

  54. ふふ、やる気だこと。

  55. でもそうね……。
    私も最近、さやかさんに長距離走で抜かれそうになってきたのよね……。

  56. また一から鍛えなおそうかしら。 ねえ、花帆。

  57. 花帆

    それはぜひ、おふたりで張り合っててください~!