第3話『ゆえに、みらくらぱーく!あり』
PART 6
姫芽 | めぐちゃんせんぱい~! |
瑠璃乃 | お勤めご苦労様です! |
慈 | ふっふっふ……。 |
慈 | 私に勉強させようとする悪の勢力に負けず、なんとかやりきったよ! ふたりとも、ただいま! |
瑠璃乃 | いやあがんばったねえ、えらいねえ、すごいねえ。 |
慈 | うん! がんばった! 一生分の勉強した! もうやらない! |
姫芽 | そういえば噂で聞いたんですけど~、 蓮ノ空には『補習室の女王』って言われてる生徒がいるみたいですね~。 |
姫芽 | なんでも、 外出届を差し止められたという伝説をもってるとかで~。 |
慈 | あはは、なにそいつ。 だっさー。 |
瑠璃乃 | あっ。 |
瑠璃乃 | で、でも、めぐちゃん大丈夫? もう三年生だし、その、進路的なヤツは。 |
慈 | ああ、大丈夫、大丈夫。 ちゃーんと考えてるから。 |
瑠璃乃 | そうなの!? |
慈 | いやいや、当たり前じゃん。 私もう三年生だよ? |
瑠璃乃 | めぐちゃんのことだから、 進路希望調査書にも『世界征服』とか書いてるのかと。 |
慈 | ぎく。 |
瑠璃乃 | ウソだよね? |
慈 | 進路ってようするに、学校を卒業した後になにをしたいか、 ってことだからね。 |
姫芽 | ナルホド~……! |
瑠璃乃 | なるほどらない! まさか補習が長引いたのも、それが原因じゃ……? |
慈 | 私は今この瞬間を生きてるの! |
慈 | どうせ綴理だって『おでん食べたい』とか、 梢だって『ラブライブ!優勝!』とか書いてるに決まってるよ。 |
慈 | なんたって私たちは、 学生である前にスクールアイドルなんだから! |
姫芽 | ええ~! かっこいい~! |
瑠璃乃 | 学生だからスクールアイドルなんだよ! |
瑠璃乃 | それよりめぐちゃん! 撫子祭に向けての準備、けっこういい感じに進んでるんだよ! |
慈 | あ、そうそう。 廊下に貼ってあったポスターも見たよ。 私のいない間に、やるじゃんふたりとも! |
姫芽&瑠璃乃 | へへへ/えへへ~。 |
慈 | すごいね、この教室でゲーム大会開くんだ? |
姫芽 | はいっ! やりますよアタシやりますよアタシやります~! |
慈 | わー燃えてるー。 気合入れすぎちゃって、 参加者全員姫芽ちゃんがなぎ倒しちゃうんじゃないのー? |
姫芽 | 大丈夫ですよ~、あくまでチーム戦なので~。 |
姫芽 | ゲームの楽しさをわかってもらえるように、 アタシはサポートに回ります~。 |
慈 | あ、そういうのもやればできるんだ。 |
姫芽 | 初めての方への操作説明などは、ぜひぜひるりちゃんせんぱいと、 めぐちゃんせんぱいにもお願いしたく~! |
慈 | あ~……うん、了解。 |
慈 | 私もね、万全だからね、操作はね。 叩きこまれたからね、ツマヨウ寺軍曹に。 |
姫芽 | るりちゃんせんぱいは、実はけっこうプレイされてるとか~? |
瑠璃乃 | いやまあ、そこそこだよ、ウン。 |
慈 | それで、お次はミニライブ、と。 |
姫芽 | アタシとるりちゃんせんぱいで、特設ステージを作りました~! といっても、八重咲ステージに比べたら、ぜんぜん小さいんですけど~。 |
慈 | その分、みんなとの距離が近いってことでしょ? だったら、全席サイコーの特等席じゃん☆ |
姫芽 | ~~~~っ! |
慈 | え? なに? |
姫芽 | 久しぶりにめぐちゃんせんぱいを浴びて、幸せです~……。 ありがとうございます~……。 |
慈 | 姫芽ちゃん、一緒に活動してもう3か月目なんだけど……? |
瑠璃乃 | あはは、ずっとこのままかも。 |
姫芽 | そうですね……なぜならおふたりは今この瞬間も成長を続けてるので…… 毎日顔を合わせるたびに新たな魅力が襲い掛かってきて リスキル&リスキル&リスキルって感じなので……。 |
慈 | よくわかんないけど、ミニライブの準備もよし、と! |
慈 | あ、じゃあじゃあ、るりちゃんのやつは? |
瑠璃乃 | んぇ? |
慈 | ほら、撫子祭でやりたいって言ってたじゃん。 るりちゃんラジオ。 がんばってる人たちを、いろんな形で応援してあげたいんだ~って。 |
姫芽 | え? |
瑠璃乃 | あ、あー! |
瑠璃乃 | そーいやそんなこと言ってたっけー忘れてたー! 今が楽しいから全力で忘れちゃってたうっかりーあははー! |
慈 | ほんとに? |
瑠璃乃 | ま、それはいいじゃん! また次の機会ってことで! 今回はほら、さすがに今から準備する時間はないわけだし! ね! |
姫芽 | るりちゃんせんぱい……? |
姫芽 | ほんとは、せんぱいにもやりたいことがあったんですか~……? |
瑠璃乃 | いや、それは。 |
慈 | え? まさか姫芽ちゃんに、言ってなかったの? |
瑠璃乃 | ま、まあ……。 |
姫芽 | アタシの準備ばっかり手伝わせちゃったから、 るりちゃんせんぱいは、自分を犠牲にして…………。 |
瑠璃乃 | そういうわけじゃなくて! |
姫芽 | ……。 |
瑠璃乃 | なんて言えばいいかな。 あのね、えっとね、じゃなくてね。 |
姫芽 | …………っ、ごめんなさい、アタシ。 |
慈 | 姫芽ちゃん! |
瑠璃乃 | あっ。 |
慈 | ごめん、るりちゃんは部屋に戻ってて! 後で、話があるから! |
瑠璃乃 | あ……うん。 |
瑠璃乃 | 姫芽ちゃん……。 |