第10話『ゆえに、ルリあり。』
PART 8
- 瑠璃乃
こんなに朝早いと、誰も居ないね。
- 瑠璃乃
姫芽にはああ言ったものの……
ルリだってこれが本当に向き合う方法なのかはわからない。 - 瑠璃乃
でもやるよ。
姫芽だって、ゲームの時に必死だったんだもんね。 - 瑠璃乃
ルリも、必死で向き合うよ。
まずは一曲……あの日の弱さに向き合う。 - 瑠璃乃
それじゃあ、歌おう。
「アイドゥーミー!」を。 - コメント
6月シナリオでさやかと花帆が仲たがいしたあと。花帆のもとを訪れた瑠璃乃と、部室で背を向けたままの花帆。
- コメント
瑠璃乃ちゃんは優しいから巻き込みたくない。と言われるところ。
- 花帆
瑠璃乃ちゃんは、優しいから。
嫌なことには巻き込みたくない。 - コメント
202506月シナリオでさやかに拒絶されたところ。
- さやか
瑠璃乃さんにはちょっと、これは聞いてほしくありません。
- コメント
202506月シナリオで瑠璃乃がステージの奪い合いで荒れるみんなの仲を取り持つところ。
- 瑠璃乃
何があったのか聞かせてよ。
ルリ、みんなの役に立ちたいからさ。 - コメント
6月シナリオで、蓮ノ三連華を結成したところ。
- 瑠璃乃
ーー三連華。
- 瑠璃乃
ふー……。
- 瑠璃乃
あ、はは。
……思ってた以上に、思い出すなあ。 ちゃんと、曲を作った時の気持ちを。 - 瑠璃乃
あの日、ルリは弱かった。
弱かったせいで、花帆ちゃんにもさやかちゃんにも頼ってもらえなかった。 - 瑠璃乃
ヒーローになるっていう強さを手に入れたから、
ふたりはルリを無理やりにでも引っ張ってくれるようになった。 - 瑠璃乃
あの日ルリは、弱さを乗り越えて、ヒーローにはなったけど……
頼ってほしいのに頼ってもらえない。 - 瑠璃乃
それは、ルリがみんなに気遣われる存在だったから?
充電切れになるから? - 瑠璃乃
それは違う。
今はさやかちゃんも、花帆ちゃんも、そんなルリを頼ってくれている。 - 瑠璃乃
だったら、ルリの弱さは、気遣われている時に、踏み出せなかったことだ。
- 瑠璃乃
少し……わかった気がするよ、姫芽。
今のはヒーローの原点。 ルリは今から、ルリの原点を巡る。 - 瑠璃乃
その先にきっとある。
ルリの本当の弱さが。 - 瑠璃乃
やっぱり、ここに来ないとね。
よし。 思い出すよ、ルリ。 綴理先輩に教えてもらったことも。 - 瑠璃乃
ここが……ルリの、スクールアイドルとしての、原点だから。
- 瑠璃乃
それじゃあ歌おう。 「Colorfulness」を。
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202402月シナリオで、瑠璃乃と慈が喧嘩を勃発させたシーン。
- コメント
ふたりが「もうしらない!」とそっぽを向くところが映る。
- 慈&瑠璃乃
もう知らない!!
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202402月シナリオで、瑠璃乃と綴理が花帆と慈の偵察に向かったシーン。
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慈たちはうまく行っている、ということを知った瑠璃乃が「憶えてろー!」と逃げていく。
- 瑠璃乃
ぐ、ううう!
お、憶えてろー! - コメント
無言でぼーっと釣りをするふたり。
- 瑠璃乃
……ああ、うん。
そうか。 そういうことか。 - 瑠璃乃
踏み出せなかったことが弱さなんじゃない。
この時のルリは、もっと弱かった。 - 瑠璃乃
踏み出すどころか、踏み出し方もわかってなかった。
自分がどうしたいかもわからなくて、綴理先輩に導いてもらうだけだった。 - 瑠璃乃
だって思うことはあっても、
それをちゃんと言葉にすることもできなかったんだから。 - 瑠璃乃
それでめぐちゃんとも喧嘩になったんだ。
- 瑠璃乃
やっぱり、間違いない。
このさかのぼり……一番深いところにきっと、ルリの本当の弱さがある。 - 瑠璃乃
それを知ることができれば……強さと弱さ、
その両方を手に入れることが、できるはずだ。 - 瑠璃乃
次の曲は、最初学校でやろうとしてーー。
- 瑠璃乃
いや、もっといい場所がある。
- 瑠璃乃
ここに来るのも、久しぶりだな……。
- 瑠璃乃
やっぱりこの曲を思い出す。
……ルリの……歌い始めた、原点。 めぐちゃんとの、原点。 - 瑠璃乃
それじゃあ。 やろう。
「BANG YOU グラビティ」。 - コメント
幼少期の瑠璃乃と幼少期の慈が映る。
- コメント
幼少期の瑠璃乃が、自分の胸に両手を当てて歌っている。
- コメント
幼少期の慈がうずくまっている。
- コメント
ここは台詞無し。
- 瑠璃乃
あ、あはは……。
ひとりのライブ、けっこー大変で……。 - 瑠璃乃
あんなにかっこつけたのに、ちょっと、情けないよね。
- 慈
そんなことない。 かっこいいよ、るりちゃん。
すっごく、かっこよかった。 - 瑠璃乃
……改めて、歌ってみるとさ。
めぐちゃんが立ち上がることを信じてる……そんな曲だ。 - 瑠璃乃
来なかったら、どうにもならない。
ルリがひとりで立てない証拠……弱さ。 - 瑠璃乃
最後の最後まで、ひとりでやる勇気はなかった。
めぐちゃんが来てくれないと、自分ひとりでは何もできない。 - 瑠璃乃
だから、ステージに立てないめぐちゃんに、
むちゃくちゃ言って一緒にやろうって言い続けた。 - 瑠璃乃
踏み出せない弱さの先にあった、踏み出し方もわからない弱さ。
その先にあった……ひとりじゃ何もできない弱さ。 - 瑠璃乃
めぐちゃんに連れ出してもらえるようになるまでは、
思ったことも口に出せなかった。 歌にすることだって、できなかった。 - 瑠璃乃
じゃああと、何を歌えばいいのか……。
- 瑠璃乃
違う。
- 瑠璃乃
そっか。
だからこそ……今なら、リベンジができるんだ。 - 瑠璃乃
ほんとすみません。 ありがとうございます。
- 瑠璃乃
え、ルリのこと覚えてた!?
先生すげえ……! - 瑠璃乃
はい。 お子さんたちが帰ったあとで、お庭にぽつんと居させていただければ、
それで十分ですので。 - 瑠璃乃
ありがとうございます!
- 瑠璃乃
もうほとんど覚えてないと思ってたけど……こうして見ると思い出すな。
めぐちゃんちの隣に引っ越す前の……幼稚園。 - 瑠璃乃
ここに居たルリは、歌うこともできなかったルリだ。
世界で一番、弱いルリ。 - 瑠璃乃
本当は……答えが知りたかった。 どうしてそんなに弱いのか。
ただ俯いて、何も言えなかったルリから。 - 瑠璃乃
でも、違うんだ。
ようやく今、一番弱いルリにたどり着いて、気づいたよ。 - 瑠璃乃
今なら、歌える。
強いルリと、弱いルリを、合わせ持った歌を! - 瑠璃乃
……Echoes Beyond。
- 瑠璃乃
ルリは本当に、情けないやつだった。
引っ込み思案で、なんにもできなくて。 - 瑠璃乃
思ったことも口にできない。 嫌なことがあっても、ただ黙りこくるだけ。
思い出してきたよ。 そんなルリが、思っていたこと - 瑠璃乃
弱いと、つらいよね。 届けたいものも届けられない。 強くなりたい。
すごくそう思う。 - 瑠璃乃
でもルリの弱さは、その弱さがあるからこそ
ひとりひとりに手を差し伸べられる。 誰かに手を伸ばせる長所。 - 瑠璃乃
強さなんだ!
- 瑠璃乃
落ち込む必要なんてない。 弱さは強さ。
充電切れだって、誰かに寄り添おうとした証。 - 瑠璃乃
そう、ルリは思うんだ。
- 瑠璃乃
ゆえに、ルリあり。
- 瑠璃乃
……え?
- 慈
おかえり。
- 瑠璃乃
めぐちゃん? なんで?
- 慈
んー。
- 瑠璃乃
……姫芽に聞いて、心配で待ってたの?
ごめんね、いつも迷惑かけて。 - 慈
……心配っていうのとは、ちょっと違うけどね。
- 慈
こんなに手、冷たくしちゃって。
がんばり屋さんなんだから、もう。 - 瑠璃乃
めぐちゃんに言われてもなあ。
- 瑠璃乃
あのね、めぐちゃん。 ルリ、見つけたよ。
強さと、弱さ。 - 瑠璃乃
その両方があるからこそ、ルリなんだって。
ようやく、わかったんだ。 - 慈
……るりちゃんは覚えてないかもだけどさ。
昔、私がママと喧嘩して、すっごく落ち込んでたとき。 - 瑠璃乃
え?
- 慈
励ましてくれたこと、あったよね。
自分で歌を作って、一生懸命。 - 瑠璃乃
あ……。
- 慈
私の『強さ』は、そのとき、るりちゃんにもらったものだよ。
こんなに優しい子を、ずっと守りたいって、思ったんだから。 - 瑠璃乃
そっか……。
そうだったんだ。 - 慈
……るりちゃんがまだ悩んでたら伝えようって待ってたんだけど、
必要なかったみたいだね。 - コメント
嬉しそうに微笑む慈に、瑠璃乃も涙ぐんで微笑む。
- 瑠璃乃
忙しいくせに。
- 慈
そっちだって。
- 慈
るりちゃんはちょっと見ない間に、グングン大きくなるんだから。
私の方が負けてらんないじゃん。 - 瑠璃乃
……ほんとに、そう思う?
- 慈
思ってるよ。 なんだったら、最初からずーっと。
るりちゃんは、私にはないイイところを、いっぱいいっぱいもってる。 - 慈
並び立てないなんてこと、ない。
私の自慢の、幼馴染だよ。 - 瑠璃乃
……うん、今ならルリも、自分でそう思えるんだ。
- 慈
……あれ?
るりちゃん、ちょっと背、伸びた? - 瑠璃乃
え、ほんと!?
- 慈
あ、ごめん。 気のせいだった☆
- 瑠璃乃
なに!? なに!?
- 慈
身長だけはずっとそのままでいいからね、るりちゃん!
- 瑠璃乃
このぉ!
いつかめぐちゃんと並んでやるからなぁ! - 慈
あはは!
- 慈
……並んでるよ。 もう、とっくに。
- 瑠璃乃
もっと、もっとデッカくなってやるからなー!
- セラス
見ましたよ……瑠璃乃先輩!
- 瑠璃乃
おろ、それは!
- 姫芽
ふっふっふ、見てくれましたかせらりん。
昨日のるりちゃんせんぱいのリベンジ……伝説のライブを! - 瑠璃乃
伝説ってほどじゃないよ!!
- 瑠璃乃
ただ……がっかりさせちゃった子たちにも、
もう一度聴いてほしいと思っただけだから。 - セラス
はい、たっぷり勉強させてもらいました。
- セラス
こないだの慈先輩の東京のライブも、
昨日の瑠璃乃先輩のリベンジライブも……
それぞれに、それぞれの違った良さがありました! - セラス
さすがです。
“スクールアイドル”。 - 瑠璃乃
ふふ、そっか。
“違った良さ”か。 - 瑠璃乃
そうだよね。
だってルリは、ルリなんだから。 - 花帆
大好評だったみたいだね、瑠璃乃ちゃん。
あたしも見に行きたかったなー! - 瑠璃乃
それについては、ごめんとしか言いようがない!
- さやか
なぜ謝るんですか???
- 瑠璃乃
ルリが曲のことで手一杯だった間、
ルリの分の仕事も花帆ちゃんたちにやってもらってたから。 - コメント
そう言われると、さやかと花帆が顔を見合わせてから微笑む。
- 花帆
なあにそんなことくらい!
新曲大成功だったのなら、言う事無しだよ! - さやか
わたしも同じ気持ちです。
- さやか
しっかり向き合った甲斐があったようで、何よりです。
- 瑠璃乃
ありがとね。
でも……さやかちゃんに言われたことを、ルリはちょっと履き違えてたみたい。 - さやか
というと?
- 瑠璃乃
みんなの好きなものに気を遣えるから、良い曲が作れる……
そんなふうに思ってた。 でもそうじゃなかった。 - 瑠璃乃
気を遣えることだけが大事なんじゃない。
弱い自分と、強くなりたい自分。 その両方が、ルリの中にあったからなんだ。 - さやか
……。
- さやか
わたしには明確な答えはわかりません。
でも、瑠璃乃さんが言うのならきっとそうですね。 - 花帆
あれあれ!? 何の話ー!?
- さやか
瑠璃乃さんは作曲が向いているという話です。
- 花帆
まあそれはそうかも。
なんていったって、三連華の作曲担当ですから! - 瑠璃乃
え、そんなふうに思われてた!?
- セラス
なんとなくそんな気はしてますよ。
ユニットが違うので、完全に固定というわけではないですけど。 - 泉
瑠璃乃先輩が作曲、花帆先輩が作詞、さやか先輩が振り付け。
特に秀でていると感じるのは、そんなところかな? - 小鈴
なんか大三角思い出すね!
- 吟子
役割分担、か……私たちはどうだろう……。
- 姫芽
アタシがゲーム、吟子ちゃんが衣装、小鈴ちゃんがちぇすと。
いずみんが他全部~。 - 吟子
泉の負担がひどい!
- 瑠璃乃
……あのさ。
今度Fes×ReC:LIVEやるじゃん? - 瑠璃乃
あれに……ちょっと、ひとつお願いがあるんだ。
今回ルリが作った曲も、一緒に披露させてほしい。 - さやか
瑠璃乃さんのソロステージですか?
それはもちろんーー。 - 瑠璃乃
ああいや、違うんだ。
- 瑠璃乃
わがままなのはわかってるんだけど……みんなで、やりたいから、やろう!
- 花帆&さやか&吟子&小鈴&姫芽&泉&セラス
!
- 瑠璃乃
これはルリの弱さも強さも乗せた曲。
それには……みんなの存在が不可欠だから。 - 瑠璃乃
ルリが弱さの大切さに気づけたのも、
強さを手に入れられたのも、みんなと一緒だったからだから。 - 瑠璃乃
みんながめちゃくちゃ忙しい中なのはわかってるんだけど。
振り付けとか、衣装とか、これから考えなきゃいけないってことになるし。 - 瑠璃乃
でも、さ。
- 花帆
もちろん、おっけー!!
- 小鈴
はい、とっても良いと思います!!
きっと見に来る人たちも喜んでくれるはず!! - 泉
そういうことなら、断る理由はないね。
- 姫芽
全力で支えさせていただきます!!
推させてもいただきます!! - 姫芽
はっ……でも、その、めぐちゃんせんぱいに作ったバズ曲の方は……。
- 瑠璃乃
あ、えっと。 あっちはめぐちゃんのために作った曲だから、
みんなでやるのとはちょっと違うかなあ、って……。 - 姫芽
よかった~~~!
それならアタシの掟に反することもありませんね!! - 吟子
掟って。
- 瑠璃乃
ありがと。
- セラス
わたしは出番がもらえて嬉しいですけど……
それならどうしてFes×ReC:LIVEでやるんですか? - 瑠璃乃
今、記録に残しておきたいんだ。
- 吟子
記録、ですか?
- 瑠璃乃
最近、ちょっと自分を振り返る機会があってね。
それで思ったんだ。 今のルリたちを、残しておきたいって。 - 瑠璃乃
それがいつか、振り返った時に力になってくれるんじゃないかなってさ。
- 花帆
やろうやろう!
Fes×ReC:LIVEを見返す時の楽しみが、またひとつ増えるしね!! - 吟子
今まで以上に忙しく……やりたいはやりたいですけど、現実的ですか?
- さやか
まあ、やるとなったら時間の都合はつけますが。
- 小鈴
さっすがさやか先輩です!
きっと地獄のスケジュールが待っていますが、絶対に叶いそうです!! - さやか
それは褒められているのでしょうか……。
- 瑠璃乃
うん。 ありがと、みんな。
……今のルリたちを……ルリ自身を、残したい。 音楽っていう、形で。 - 姫芽
は、るりちゃんせんぱい、そろそろ~。
- 瑠璃乃
あ、そうだね。
じゃあ、ちょっとお見送り行ってくるね。 - さやか
はい。 まさか卒業してからもお手伝いすることになるとは
思いませんでしたが……あのかわいらしい方に、
どうぞよろしくお伝えください。 - 花帆
みんなBloom Garden Partyも楽しみにしてますから!
っていうのも、お願いね! - 瑠璃乃
んっ!