第2話『Dream Match!』

PART 7

83 セリフ8 人物
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  1. 小鈴

    今日は、姫芽ちゃんは何するの?

  2. 姫芽

    何だか昨日の疲れが抜けなくて~。
    今日はダラダラしようかな~と。

  3. 吟子

    イベントが終わったばっかりだし、今日くらいはいいんじゃない?
    三年生も、修学旅行で羽を伸ばしているんだから。

  4. 姫芽

    そう言うおふたりは、今日はどうするの~?

  5. 吟子

    私は、昨日使った衣装の手当てかな。
    部分洗いしたり、傷んだ部分を繕ったり。

  6. 吟子

    次に着る予定はないけど、せっかく作ったんだしね。

  7. 小鈴

    徒町は自主練するよー!
    さやか先輩が帰ってきたときに、少しでもおっきくなってたいから!

  8. 姫芽

    じゃ、行ってらっしゃ~い。

  9. 浮かない顔をしているね。

  10. 何か、よくないことでもあったのかな?

  11. 姫芽

    イベントの運営からメールが来てね~。

  12. 姫芽

    昨日のこと、めちゃくちゃ褒めてくれてて……
    イベントの成功は蓮ノ空のおかげだとまで言ってもらえて……。

  13. 姫芽

    実は、お誘いまでもらっちゃったんだよね~。

  14. 姫芽

    もしアタシがよければ、
    これからもイベントスタッフとして手伝ってほしいって。

  15. ほう?

  16. あなたの夢は、最高の形で叶ったというわけだ。

  17. 姫芽

    そうだね~……。

  18. なのに、なんであなたはそんな顔をしているんだろう。

  19. 姫芽

    ……何だか、ピンときてないんだよね~。

  20. 姫芽

    もっと、やった~! 叶った~!
    って気分になると思ってたんだけど、ぜんぜんそんな感じがなくてさ~……。

  21. 姫芽

    全力も出し切っちゃったし、後はもう、
    コレの繰り返しになるのかな~って……。

  22. 姫芽

    あ、でもね、全部終わるまではすごい充実してたんだよ~?
    これはほんと~。

  23. 姫芽

    準備のとき、いずみんに助けてもらったりしたのも、
    アタシとしてはすごくグッとくるものがあってね~。

  24. 私は、自分がやりたいようにやっただけだよ。

  25. 私には自分の夢というものがないからね。
    だから、情熱を持っている人がとても輝いて見える。

  26. そういう人が夢を叶えるとき、その手伝いをしていると、私も、
    夢を叶えるという気持ちを体験させてもらえる気がしているんだ。

  27. だから、あれは私のためでもあるのさ。

  28. 姫芽

    いずみんって、そういう感じだったんだね~……。
    だから、ずっとセラスちゃんのそばにいたんだ~。

  29. そう……セラスは輝いていたよ。

  30. あの夢と向き合う日々は、私にとって、
    これ以上はないほど充実した時間だった。

  31. 姫芽

    あの瑞蓮祭とラブライブ!のプレーオフは、
    アタシにとっても忘れられないものなんだよね~。

  32. 姫芽

    めっちゃ熱い気持ちになれたからさ~。

  33. 姫芽

    でも、今回だって、終わるまでは熱い気持ちになれてたんだけどな~。

  34. 確かに、昨日までのあなたは輝いて見えていたよ。

  35. 姫芽

    やっぱり、すぐそういうこと言う~。

  36. 私は思ったことを素直に言っただけだよ。
    それ以上の含みはないさ。

  37. ……さて、これであなたの夢は叶ったわけだが。
    これからどうするんだい?

  38. 次は、花帆先輩の夢に乗っかるのかな?

  39. 姫芽

    ああ、そっか~……。

  40. 姫芽

    夢が叶うって、そういうことでもあるんだね~……。
    アタシの夢は、もう終わっちゃったんだ……。

  41. 姫芽

    はぁ……かほせんぱいの夢かぁ……。

  42. 何か、抵抗感でも?

  43. 姫芽

    ……アタシ、ちょっと怖かったんだよね~。

  44. 怖かったというと?

  45. 姫芽

    かほせんぱいの夢を叶えようとすると、
    ついでに自分の夢も叶っちゃいそうな気がしててさ~。

  46. 姫芽

    だけど、もう、アタシの夢は終わっちゃったし……。

  47. 姫芽

    これからは、かほせんぱいの夢を叶えるために、
    お手伝いをしていくのもいいのかもしれないね~……。

  48. いいんじゃないかな、他人の夢でも。

  49. 姫芽

    いずみんは、そうしてきたんだもんね~……。
    アタシ、今ならいずみんの言ってることも、ちょっとは分かる気がする……。

  50. あなたと私では、少し違うんだけどね。

  51. 少なくとも、昨日までのあなたは自分の夢と情熱を持っていただろう?

  52. 私は違うんだ。
    今までただの一度も、そういう気持ちになれたことがない。

  53. ……きっと私は、最初から何か大事なものが欠けた人間なんだ。

  54. 姫芽

    いずみん……。

  55. だけど、そんな私でも、誰かの夢に乗せてもらっているときだけは、
    情熱を分けてもらえる。

  56. 欠けていた何かが埋まって、自分も血が通った人間なんだと思えるのさ。

  57. あのプレーオフが、そういう瞬間だった。
    そしてーー。

  58. あなたの夢に乗せてもらった時間も、
    私にとってはかけがえのないものだったんだよ。

  59. 姫芽

    そっか~……。

  60. あなたも、昨日までは充実していたと言っていたね?
    私にとっても、あなたと競った日々は心躍るものだった。

  61. 姫芽

    確かに、アレは楽しかったよね~……。

  62. 姫芽

    本気と本気でぶつかり合って、そしたら、
    アタシが思ってたよりすごいものを生み出せ、て……?

  63. 姫芽

    あれ……?

  64. ん? どうしたのかな?

  65. 姫芽

    ちょっと待って……本気と本気を……?

  66. 姫芽

    そうすれば……そこから?

  67. 姫芽

    るりちゃんせんぱいも、言ってた……。 何度もぶつかった、って……。
    ってことは、もしかして、コレも同じこと……?

  68. 姫芽

    だったら……。

  69. 姫芽ちゃん?

  70. 姫芽

    アタシ、まだやってないことがある!

  71. 姫芽

    ちょっと東京行ってくる!

  72. え?

  73. 東京……?

  74. 姫芽

    これからかほせんぱいとバトってくる!

  75. ちょっと待て……なんでそうなる……?

  76. 姫芽

    アタシはまだ、かほせんぱいに自分の気持ちを……
    自分の夢をぶつけてない!

  77. 姫芽

    本気の夢をぶつけ合ったら、何かすごいものが生まれるかもしれない!
    いずみんとぶつかり合ったときみたいに! そしたらーー。

  78. 姫芽

    アタシの夢は、まだ終わらないかも!

  79. ふっ……。

  80. ふふっ、あはははっ!

  81. ……面白いな、姫芽ちゃんは。

  82. ふふ、仲間ができるかと思ったんだが……。

  83. でも、それでいい……いや、それがいい。
    それでこそ、私が見込んだ蓮ノ空というものさ。