えっと、どうしますか……？

え、わかんない、どうすればいいんだろ。

とりあえず、手を握る……？ それとも、ぎゅー？

いや、でも……いっぱいダンボール持ってきて、
独りにしてあげたほうがいいのかな……。

お、落ち着いてください～、めぐちゃんせんぱいまで～……。

あ、う、うん。 そうだよね。

……でも、どうしてこんな急に。

るぅあ～。

ごめんね、ひめっち、めぐちゃん。
お手数をおかけしまして……。

……ううん。
もしかしてるりちゃん、なんかあった？

私の……ママのことで。

………………。

あ、あの。 アタシ、なんか飲み物買ってきますね～！
ウルトラ元気の出そうな甘いやつ～！

ひめっちに、気を遣わせちゃった……。
とてもつらい……。

……あのね、めぐちゃん。

うん。

ルリね、おうち帰ったときに……聞いちゃったんだ。
お母さんから。

……聞いたって、なにを？

……。

やっぱ、また後でにしよっか。
今はゆっくり、休んで……。

おばさんが、デザイナーを辞めてた、って。

……なにそれ。

おばさんね、同じ会社で異動願いを出して、
今は他の部署で働いてるんだって。

もっと……その、休みの融通が利く部署で。

異動願い……？
……それ、最近の話？

ううん。
……めぐちゃんが、タレントを始めたぐらいの頃。

めちゃめちゃ前じゃん……。

そんなの、初めて聞いた……。
お仕事が生きがいみたいな人だったのに、どうして。

……。

……は？ まさか。

私が、タレントを始めたから？

めぐちゃんの、せいじゃ。

いや、そんなわけ……。

……でも、いっつも送り迎えしてくれて、現場にだって来てくれて。

やけに簡単に会社休むから、
聞いても『自分は売れっ子だから許されてる』なんて言って……。

そんな……。
なんで黙ってたの……？ ママ……。

私には、一言も……。

……お母さん、言ってた。
『あの子は昔っから、ごまかすのが得意だから』って。

っーー。

あっ、めぐちゃんせんぱい！？

そんな……。
そんなのって！