第7話『Link to the FRIENDS!』
PART 8
※場所は校門と書きましたが、廊下でもどちらでも大丈夫です。お祭り感が出せるほうでお願いします。 | |
ぱん、ぱん、ぱん、と蓮ノ空の上空で花火が鳴る | |
それから花帆に視点が映り、両手を広げて満面の笑みの花帆が映る。 | |
花帆 | フラワー! ようこそ、蓮ノ空女学院へ! |
ふたば&みのり | わ~~~! |
花帆 | よく来たね、ふたば、みのり。 ここがお姉ちゃんとお母さんの母校だよ! |
ふたば | ほんとに山の中にあるんだ! |
みのり | まわり……なんにもないね。 |
花帆 | でもいいところなの! |
花帆 | それに……。 |
両手を広げる花帆。 | |
※セラスは3Dモデルナシの状態で登場。 | |
花帆 | 久しぶりだね、せっちゃん! |
せっちゃん | うん、久しぶり。 200年ぶり……ぐらい? |
花帆 | 2年ぶりかな!? |
花帆 | 来てくれてありがとう。 来年高校生だっけ? 大きくなったよねえ。 あとあと、元気になった! あたしも嬉しいなあ。 |
せっちゃん | わたしも。 おばさまに、花ちゃんの学校の文化祭に行くから、どう? って誘ってもらって。 つい、のこのこと来ちゃった……。 |
花帆 | いや、来てくれていいんだよ!? 誘われたんだから! |
ふたば | あ、じゃあふたばとみのりはお母さんと一緒に、あちこち見てくるね! |
みのり | いってくるね。 お姉ちゃん。 せっちゃんに迷惑かけちゃだめだからね。 |
ふたばとみのり、退場。 | |
花帆 | あたし高校二年生なんだから、そんなことするわけないでしょー! |
花帆 | はぁ、まったくもー……。 |
せっちゃん | あのふたりね、この日をずっと楽しみにしてたみたいなんだよ。 将来、自分たちもいつか蓮ノ空に入るんだー、なんて言っちゃって。 |
その言葉を聞いて、すぐにご機嫌になる花帆。 | |
花帆 | ふっふっふ。 つまり、お姉ちゃんがいかに勉強をがんばったのか、わかるってことだね! |
せっちゃん | ふふふ、そうかも。 |
せっちゃん | ね、花ちゃん。 文化祭、案内してくれる? |
花帆 | もっちろん! きょうは、せっちゃんの笑顔を、いーっぱい咲かせちゃうんだから! |
模擬店にスタンバイしている、吟子、小鈴、姫芽。 | |
これから始まる勝負にテンション高く、ウキウキしている姫芽。 | |
姫芽 | んふふふふふ……! |
姫芽 | ついにこの日がやってきました……。 竜胆祭、本番ステージ……。 |
姫芽 | けど、その前に~! |
ひゃっほう、とテンション高い姫芽と小鈴。 | |
小鈴 | 模擬店やるぞ~! |
共鳴するお祭り好き同士に、この後のステージが不安な吟子は、テンション低め。 | |
吟子 | やる気だね、ふたりとも……。 |
小鈴 | うんっ。 だって吟子ちゃんとは別のクラスなのに、 こうして一緒にお手伝いできるの、楽しみ! |
姫芽 | それにそれに~、きょうが二年生との第二十バトル目ーー 最終試合だからね~! |
これまでのバトルを思い出して、しみじみつぶやく吟子。 | |
吟子 | いっぱいやったなあ、私たち……。 |
姫芽 | こっちはあんみつ屋さん。 そして向こうはクレープ屋さん。 集客勝負で、勝った方が勝ち~! |
小鈴 | そのために、3人で同じ時間帯にシフトかぶらせてもらったんだから! |
しゅっしゅっとシャドウボクシングする姫芽。 | |
姫芽 | これまでの修業の成果を発揮する日が、やってきたのだ~。 |
なんだかんだ姫芽に影響されて、吟子もひそかに拳をぎゅっと握る。 | |
吟子が気合を入れ直す。 | |
吟子 | ……うん。 1回ぐらい、勝ちたいもんね。 よし。 |
吟子 | 私は調理担当。 小鈴が接客で……姫芽は列整理をしつつ、 全体を見て、うまく回ってないところを手伝う。 |
吟子 | これが私たちで決めたフォーメーション。 |
吟子 | 実際に試したことはないから、 あくまでも反省会の内容を反映させただけだけど……。 |
フラグを立てておく吟子。 | |
吟子 | たぶん、穴はない……はず! |
姫芽 | ストロングポイント押しで、やっちゃろ~。 |
小鈴 | 二年生とのバトルチャレンジ……完結編。 いざ開戦だよ! |
吟子&姫芽 | お~! |
一年生側の「おー!」という声を聞いて、ゆるく笑う瑠璃乃。 | |
瑠璃乃 | おーおー、あっち盛り上がってんねえ。 |
さやか | これまで二年生組が、なんだかんだ勝ち続けていますからね。 |
さやか | 危ういところは多々ありましたが、 せっかくなので、このまま全勝を目指しましょう。 |
決して手抜きせず戦おうとするさやかに、心優しき瑠璃乃がつぶやく。 | |
瑠璃乃 | ……さやかちゃんって、意外と勝負事にキビしーよね。 |
指摘されて『これが当たり前では……!?』と動揺するさやか。 | |
さやか | えっ、そ、そうですか? ですが、 向こうが本気で来る以上、こちらも本気でお返しするのが礼儀というか……。 |
瑠璃乃 | ウンウン、そーだね。 獅子は我が子を千尋の谷にドーンするって言うもんね! がおー! |
さやか | こわい例えをしないでください! |
さやか | もう。 そろそろこちらも、仕込みを始めますよ。 まだ花帆さんが、戻ってきてませんけど。 |
瑠璃乃 | あ、そう言ってたら、きたきた。 |
花帆 | ……セーフ! 間に合った!? |
花帆 | わ~、急がせちゃってごめんね、せっちゃん。 |
せっちゃん | ううん、楽しかったよ。 面白い展示がいっぱいあった。 さすが芸術の学校。 |
さやか | ああ、そちらの方が先日おっしゃっていた? |
花帆 | うん、あたしの昔からのお友達、せっちゃん! |
せっちゃん | どうも、本物のせっちゃんです。 |
花帆 | 偽物とかいないからね! |
せっちゃん | あと、どちらかというと、病院友達だから……院友。 |
セラスのユーモラスな物言いに、くすりと笑うさやか。 | |
さやか | ふふっ。 耳馴染みのない言葉ですね……。 |
せっちゃん | 花ちゃんはわたしの、いちばんの院友だったよ。 あの頃はよく、ふたりでいろんな話をしたよね。 |
目を細めて笑う花帆。それからハッと気づいて。 | |
花帆 | うん。 あたしが昔よく入院してた頃、隣の病室にいたのがせっちゃんなんだ。 |
花帆 | ……ふふふ、懐かしいなー。 |
両手を合わせて謝る花帆に、セラスは気にしないでと首を横に振る。 | |
花帆 | あ、それでごめんね! ここからあたし、お店のお手伝いがあって! |
せっちゃん | ううん、大丈夫。 てきとうにぶらぶらも、たのしい。 |
せっちゃん | お隣のあんみつ屋も、気になるし。 |
一瞬、眉根を寄せるが、それはそうとしておいしそうなあんみつが気になるのは、花帆も同じ。 | |
花帆 | む、ライバル店……! |
花帆 | しょうがない。 |
花帆 | あ、だったらついでに、お店の様子を見てきてくれないかな。 隣の子たちね、あたしたちの後輩なんだ。 うまくやってるかなーって。 |
せっちゃん | ん……らじゃ。 |
大きく手を振る花帆。(※このリアクションで、セラスが退場したことを表現できれば) | |
花帆 | あ! あとあと! うちのお店のクレープも、あとで食べてね~! よろしくね~! |
瑠璃乃 | さてさて。 そいじゃ、クレープ屋の担当どーするー? |
花帆 | それはね、ズバリ……。 キッチンさやかちゃん! それ以外あたしたち! 以上! |
瑠璃乃 | うーん、しんぷるいずべすと! それっきゃないよね! |
さやか | うっ、なかなか責任重大ですね……! |
花帆 | だいじょうぶだいじょうぶ! だって、さやかちゃんだもん! |
瑠璃乃 | クレープさや処・竜胆祭支店、開店営業だ~! |
さやか | その名前はどうかと! |