第2話『踊り続けよう、きみが見てる』
PART 1
全員登場。 | |
梢の声と手拍子に合わせて、基礎練習を行なう面々が映っていく。 | |
スクールアイドルクラブが改めて大所帯になったこと、三年生の頼もしさを示すシーン。 | |
梢 | ワン、ツー、スリー、フォー。 ワン、ツー、スリー、フォー。 |
花帆が真剣な表情でなんとか先輩の威厳を保とうとしているも、その横で吟子は花帆と同じかそれ以上にちゃんと出来ている。 | |
綴理とさやかに、懸命についていこうとする小鈴。 | |
そしてみらくらぱーく!が映って、慈が急にアドリブを入れる。 | |
慈 | ここでとっても可愛いめぐちゃんのポーズ♡ |
慈に引っかかってこける瑠璃乃。 | |
瑠璃乃 | どわぁ!? |
こけたままの瑠璃乃が画面外からツッコむ。 | |
姫芽 | ひぇ~、みんなの笑顔を作るためには、 自己犠牲も大事なんですね~。 |
瑠璃乃 | そういうことじゃないからね! めぐちゃんもアドリブのタイミングは選ぼうね! |
そう言いながら瑠璃乃を助け起こす慈。 | |
慈 | ごめんごめん。 でも、ちょっとここ気になっちゃってさ。 |
梢 | ……少し動きが寂しいのは確かね。 振りを調整しましょうか。 |
くるっと振りをその場で作る綴理。 | |
綴理 | じゃあこういうのは? |
姫芽 | わっ、いいですね! それをめぐちゃんがやるっていうのがもっと良いです! |
綴理 | ひめもやるんだけど。 |
と、吟子と姫芽にカメラが移る。 | |
姫芽 | なんと! |
小鈴 | ふぇえ……。 |
吟子 | どうしたの? |
小鈴 | いちからじゅうまで、 先輩方が何言ってるのか分からなかったや……。 |
吟子 | 確かに、実際に踊りながら振り付けを詰めていくのは新鮮かも。 それに早い。 |
小鈴 | 早いっていうのは? |
吟子 | えーっと……。 気になるところに突然アドリブを入れた慈先輩。 |
吟子 | 問題点にすぐ気づく梢先輩。 そして、さっと案を作ってしまう綴理先輩。 |
吟子 | 頭の回転が速いって言えばいいのか、慣れなのかは分からないけど……。 |
花帆 | そう、それがスクールアイドルクラブのセンパイたちなのです! |
吟子 | どうして花帆先輩が自信満々なのよ……。 |
素直な尊敬の念を抱く小鈴。 | |
画面変わって、梢を映す。そこにやってくるさやか。 | |
小鈴 | スクールアイドルクラブ……みんな、すごい……。 |
さやか | お疲れ様です、梢先輩。 そろそろ全体見る役、代わりますよ。 |
梢 | ありがとう。 けっこう大変だけれど、頑張って。 |
さやか | 人数増えましたからね。 |
梢 | そうね。 改めて練習してみると、9人というのは壮観だわ……。 |
さやかは梢にそう笑いかけてから、周囲を見る。 | |
さやか | ……ですね。 |
さやか | はい皆さん! 綴理先輩の案もありましたので、 それでもう一度、合わせるところから再開しましょう! |
さやか | 鏡越しですが、一年生の皆さんも良い動きをされていましたから、 気負わずいきましょうね! |
ぱんぱんと手を叩くさやか。その背を見て、梢が今回来ている招待のことを想う。 | |
吟子&小鈴&姫芽 | ! はい! |
梢 | さやかさんも1年経って、頼もしくなったわね。 これなら問題なさそうかしら。 |
練習終わりのイメージ。全員が揃っている中、本日最後のミーティング。 | |
梢が中心となって話をしている。 | |
梢 | みんな、今日もお疲れ様。 |
花帆&さやか&綴理&慈&瑠璃乃&吟子&小鈴&姫芽 | はーい。 |
招待状を取り出す梢。 | |
梢 | 今日のミーティングでは、ひとつ報告というか、連絡があります。 |
梢 | 今年行われる敦賀スクールアイドルライブフェスタから、 招待状が届きました。 |
敦賀と聞いて、小鈴が軽く反応する(はっと顔を上げる)描写を挟む。 | |
小鈴 | ! |
花帆 | 招待状ですか! すごい、あたしたちお呼ばれしちゃったよさやかちゃん! |
さやかの問いに答えるように、梢が招待状に目を向ける。 | |
さやか | どういう催しなんですか? |
梢 | 北陸中で活躍するスクールアイドルたちが集まって、 大きなライブフェスをやるの。 |
梢 | 北陸代表の蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブは、 そのトリを飾ってもらいたい…… |
梢 | そういう、光栄なオファーなのよ。 |
瑠璃乃 | うぉー、めちゃめちゃ期待されてね!? |
慈 | 今年だけなんだよねー? |
梢 | 北陸新幹線が新しく開業したでしょう。 その記念、という意味合いもあるみたいね。 |
綴理 | だから終わりと始まりの駅、敦賀。 |
梢 | 終着駅ってことね。 |
梢 | というわけで私たち蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブは、 北陸代表として招待を受けることになりました。 頑張ってね。 |
吟子 | 私たちもその一員、っていうことになるんですね。 |
花帆 | 北陸中のスクールアイドルが集まるイベントかぁ! なんだかすっごくやる気が出てきたーーあれ? |
花帆が梢を見ると、梢は頷く。 | |
梢の両隣に綴理と慈が並ぶ。 | |
花帆 | ……“がんばってね”? |
慈 | その日ちょうど、私たちは修学旅行なの! くっそー、1日だけ抜けられたりしないかなあ。 |
姫芽 | え、めぐちゃんせんぱい不在……!? キーボード縛りみたいなものでは……!? |
瑠璃乃 | それもしかしてルリがマウスなのかな。 え、修学旅行ってどこ行くんです? |
無駄に発音よく答える綴理。すでにちょっと東京行きにわくわくしてる。 | |
綴理 | TOKYO。 |
そりゃ来れないわー、みたいなニュアンスで目を丸くする瑠璃乃。 | |
瑠璃乃 | おぅじゃぱにーずとーきょー……。 いえー……。 |
花帆 | そんな……え、敦賀って東京の隣だったりしない!? |
さやか | 今年ちょうど、上りと下りの終点になりましたね……。 |
花帆 | こ、梢センパ~イ! |
梢 | そんなに心配しないでも大丈夫よ、花帆。 あなたたちなら、絶対うまくやれるわ。 |
慈 | くっ……私だって敦賀も行きたいのに……! もう、修学旅行抜け出すか……? |
梢 | さやかさん。 |
さやか | あ、はい。 |
梢 | みんなのまとめ役、お願いね。 けっこう大変だけれど、頑張って。 |
一瞬責任の重さに驚くも、期待に応えることに対しては前向きなさやか。一拍責任を噛み締めて、頷く。 | |
さやか | っ……。 |
さやか | はい、分かりました。 やってみせます。 |
梢、さやかの答えに優しく微笑む。 |