すみません、梢センパイーー。

ーー。

……梢、センパイ？
今、泣いて……。

ごめんなさい、なんでもないの。

でも……。

大丈夫だから。
心配、しないで。

……梢センパイ。

あたしじゃ、だめですか？

違うの。

これは、人に話しても、仕方のないことで。

でもあたし、聞きたいです。
センパイがどうして泣いているのか。

あたしじゃ、だめですか……？

悔しいの。

あと、もう少しだったのに。

ラブライブ！優勝に、手が届いたのに！

梢センパイ……。

幼い頃から、ずっと目指していたの！ 夢だった！

ようやく叶えられるって、思ったのに！ 私はまた、ダメだった……！

ダメだったの……私は、いつもそう……！
本当に欲しいものだけ、手に入らないっ……！

みんな、スクールアイドルで『なにか』を見つけて、輝いてる……。

それなのに、私だけ。 私にはなにもない……。
優勝できなければ、私には、なにも……！

そんな、なにもないなんて、どうして……。
センパイは、なんでもできるじゃないですか！

それだけじゃ、だめなの……！

だって、夢を叶えるために、
なにもかも懸けて、ここにいるんだから……！

なにもかも……。

ねえ、お母様！ 私、スクールアイドルになるわ！

ほら、素敵でしょう？ ラブライブ！っていうのよ。
あの子たちみたいにーー私も、ぜったいに、優勝してみせるんだから！

憧れたスクールアイドルに、私もなりたかった……。
そのために、がむしゃらに走り続けて……。
でも、なれないの……。

私には、もう、なにも……。

なにも……。

梢、センパイ……。

ーー優勝しましょう！

……え？

だったら、優勝しましょう！
来年こそぜったい、梢センパイの夢を叶えましょう！

花帆さん……？

センパイがどんな決意でラブライブ！に臨んでいるのか、
あたし、ぜんぜんわかりませんでした。

わかった気になってただけだったんです。

ずっとセンパイのそばにいたのに。
センパイが、何度も夢を話してくれたのに……。

ユニット失格です。 だからーー。

今度こそ、あたしたちでセンパイの夢を叶えましょう！

どうして……。

そんなの、決まってます。
あたしをスクールアイドルに誘ってくれたのは、梢センパイです。

この学校を辞めようかって悩んでたあたしを救ってくれたのは、
梢センパイなんですよ。

花咲きたいっていうあたしの夢を、最初に助けてくれたのは、
梢センパイなんです。

あたしはこれからもずっと、
梢センパイに笑っていてほしいんです。

スクールアイドルとして過ごした日々が、悲しい思い出になっちゃうなんて、
そんなの、ぜったいにだめです！

あたしも、もっともっとがんばります。
朝練だって、サボらず毎日来ます。

文句も……たまには、言うかもしれませんけど……！

でも、いっぱい努力して、きっと、
花咲いたスクールアイドルになりますから！

梢センパイのことだって、あたしが、花咲かせてみせます！

花帆さん……。

ひとりでがんばるのが大変だったら、
すぐそばに、あたしがいますから。

くじけそうなときでも、
今度はあたしが支えますから。

だから……。
なにもないなんて、言わないでください。

梢センパイには、日野下 花帆がいるんだって。
そう信じてもらえるように、がんばりますから。

一緒に、夢を信じてくれる……？

もちろんです！

あたしたちでーー夢を叶えましょう！

ありがとう、花帆さん……。

すっげー！
この季節に、雪ひとつないじゃん！

私たちの日頃の行いがいいから、だよ！

夕焼けが町並みを照らして……。
とてもいい眺めですね。

みんなが見えるね。

観光に来たわけじゃないのよ。

わかってます！
来年の誓いですよね！

ルリは！
スクールアイドルでもっともっと『楽しい』を見つける！

私はもちろん、無敵のスクールアイドルになって、
世界を夢中にさせてやること！

ではわたしは……心堅石穿。

これからも今の自分に甘んじることなく、
たゆまぬ努力を続けたいと思います。

蓮ノ空さいきょー。

あたしは花咲く自分になれるようにがんばる！
それと、たくさんの人の笑顔を花咲かせる！

それと、100万人でライブをする！ 基礎練もしっかりやる！
夜のお菓子はなるべくガマン！

いや多いなキミ！

あとはね、あとはね！

ラブライブ！優勝っ！

おおー……。

……ふふふ。

みんな。
来年こそは必ず、全員で願いを叶えましょう。

はい！

はい！

はい！

はい！

はい！

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ、今この瞬間を大切に。

Bloom the smile！

Bloom the dream！

頼りにしているわね、花帆。

ーーはい！