第13話『追いついたよ』

PART 4

オープンキャンパス当日。
どんどんどん、って白い花火みたいなの上げたいんですけど流石にやりすぎでしょうか。
わーわーと騒がしく、楽しい当日感を出していきたいです。
瑠璃乃
あっという間に当日だー! なんか緊張してきたねー!
花帆
なんか、ライブの前の緊張とは違う感じだよね……!
あたしたちの、未来の後輩をお出迎え……!
瑠璃乃
うんうん!
楽しみだなー。 ちゃんと色々話せると良いな!
花帆
充電切れそうになったらすぐに連絡してね!
あたしとさやかちゃんで飛んでいくから!
瑠璃乃
おおう、頼りになりますなー!
昨日は夜中までひとりで遊んで充電してたから、持つと良いな!
花帆
夜更かしで別のゲージが減ってない!?
なにしてたの!?
瑠璃乃
リバーシ!
花帆
ひとりで!?
さやか
……ふたりとも、第一陣が来ますよ。
瑠璃乃
あ、ごめんねさやかちゃん!
気合入れてこーね!
さやか
はい。 ……かならず、成功させましょう。
花帆
さやかちゃん、落ち着いてるね。
瑠璃乃
なのに充電もばっちりって感じ。
さやか
先輩や皆さんが頑張っている催しを、
わたしが台無しにするわけにはいきませんから。
さやか
今日やってきた皆さんの1日を、わたしたちで楽しいものにしましょう。
瑠璃乃
そうだね。 スクールアイドルぷれぜんつ、楽しい学校案内!
花帆
それが出来たらきっと、終わる頃には、
みんなの心にすっごく綺麗なお花がたくさん咲いてくれる気がするよ!
さやか
はい、満開を目指しましょう。
んー!! 良いっ天気っ!!
今日は最高のイベント日和って感じだね!
天気予報もばっちり快晴よ。
最後のライブも、素敵なものに出来そうね。
ふっふっふ、全員めぐちゃんにメロメロにしてやる……!
来年の新入生はぁ、全員めぐ友だよっ☆
目標は高いに越したことはないけれど。
そこ別に梯子外さなくてよくない!?
綴理
実行委員のみんなが、
このあとはスクールアイドルに集中していいって言ってくれたよ。
ボクの人望だね。
自分で言っちゃダメなのよ、それは。
綴理
むずかしい。
よーっし、全員めぐ友作戦決行!
ライブまでにみんなの気持ちを盛り上げて、
最後にどかんとときめかせちゃうぞ☆
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブとして、
この学校を魅力的な場所だと証明してみせましょう。
綴理
ん。
お、かわいいのがいっぱい来た来た。
ふふ、腕が鳴るというものよ。
綴理
じゃあ、はじめよう。
梢&綴理&慈
ようこそ、蓮ノ空女学院へ!!
花帆
送迎バス1号車でいらっしゃった皆さん!
花帆
はじめまして、
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ一年、日野下 花帆です!
花帆
今日はみんなに、蓮ノ空女学院の魅力をいーっぱいお伝えしますよ!
花帆
最後には、あたしたちスクールアイドルクラブが、
野外ステージで最高のライブをお届けしますので!
花帆
その時にはきっと、みんなの心に大きなお花が咲いていることを、
お約束します!
さやか
ここが、蓮ノ空女学院の中庭です。
さやか
お昼にお弁当を食べたり、楽しくお話をしたり、というのが主ですが……。
さやか
移動教室の際に通りかかるだけでも、
なんだか心地良い気分になれたりします。
さやか
あ、あと、わたしたちスクールアイドルクラブが
放課後の練習に使っていたりもしますね。
さやか
はい、質問でしたらご随意に。
……お弁当の販売元ですか?
さやか
全寮制なので、お弁当は自作になります。
食堂も素敵なのですが、わたしは色々と、趣味なので……。
さやか
か、かわいいとかそういうのは止めましょう!
こら、未来の先輩ですよ、わたしは!
ということで、学校の授業はこんな感じよ。
皆さんが今座っている席で、いつも私たちはお勉強をしているの。
そこのあなたが座っているのが、私の席ね。
ガタっと椅子が動く音。(吟子?)
ふふっ、緊張しないで。
蓮ノ空女学院に入学すれば、この景色はいつも通り。
窓の外を見てちょうだい。
私は、ここから見える紅葉がとても好きなの。
ね、綺麗でしょう?
お前が一番綺麗だよ!!とプレイヤーが思う感じが理想です。
綴理
ここ。 よく眠れる。
綴理
ん? そうだね。
じゃあ、ここでも少し、踊ってみようか。
綴理
案内した場所は、どこも良いところ。
それを伝えるにはーー言葉じゃ、むずかしい。
瑠璃乃、既に充電切れ。夕方ということもあり、プレイヤーが1発で察するのが理想です。
瑠璃乃
ここ。 おすすめ。
しゃしん。 じゆう。 ふうけい。 きれい。 いじょ(以上)。
わーきゃー言いながら走っていく足音。
ぽてっ、と言いながら大の字になる瑠璃乃。
瑠璃乃
ふぃー……。 ぽてっ。
瑠璃乃
今のうちに1パーセントでも充電するんだ……!
わーおそらきれいだなー。 きれいか? なんか雲多くね?
ひとりで思いを馳せていると、フラッシュが焚かれる。
瑠璃乃
うぉまぶしっ!? えっ? いや写真自由って言ったけど!
ルリをだと思わないじゃん!
瑠璃乃
……んぇ? あ、そうそうそうそう!
こうしてね、転がるとね、お空近くてきもちーんだー。
瑠璃乃
え、みんなもやんの? 止めないけども。
てゆかもー止める元気がないけども。
もう一度ころんと転がる瑠璃乃。同じく転がる気配。
瑠璃乃feat.3号車のみなさん
……。
瑠璃乃
そう。 ……これもね、蓮ノ空のエモみ。
みんなもうよく分かってる。
それじゃあ、ご一行、食堂にとうちゃーく!
蓮ノ空はご飯だけは毎日しっかりおいしいから、そこは期待していいからね!
え? ご飯“だけ”は? 私、そんなこと言ったかな!?
いやいやうんうん、すっごくいいトコだよ。
なんたって、周りなんにもないから、
すっっごく勉強に集中できるんだからね!
コホン。 それはそうとしてね、みんなとの楽しいツアーも、
もうちょっとでおしまい。 お別れの時間。
シンデレラの12時が近づいちゃってます。
でもね! そんなみんなに聞いてほしいことがあるんだ。
今から案内する最後の場所、野外ステージではーー
私たち蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブが、
最高のライブでみんなをおもてなししちゃうからね☆
メインイベントはまだまだこれから!
全員の視線、私に釘付けにしちゃうんだからーー
今夜、夢の世界まで、私のことを連れて帰ってね♡
口元に指をあてて、あざとくウィンクする慈。
さて、それじゃあステージに向けて外にーーあれ?
食堂の扉を開ける慈の鼻がぴくっと動く。雨の匂いを感知したイメージ。
ぽつ、ぽつ、と雨音。
……うそでしょー!?
ざー、と雨。