第2話『ダメダメ⇒世界一!?』
PART 1
花帆 | らんららーん♪らんらんらーん♪ |
花帆 | 素敵な朝に、おはようー♪ |
花帆 | お花さんにも、おはようー♪ |
花帆 | ああー、きょうも素敵な一日が、始まるんだねー♪ |
花帆 | みんなー!おはよー! |
さやか | お、おはようございます。 |
さやか | そういえば花帆さん。 ライブ、とてもよかったですね。 |
花帆 | えっ、さやかちゃんもそう思ってくれた? |
さやか | もちろん、心から。 花帆さんと一緒にスクールアイドルができて、嬉しいです。 |
花帆 | うん、あたしも! |
花帆 | だって、 さやかちゃんはこの学校でできた初めてのお友達だもん。 ふふふっ。 |
さやか | な、なんですか? |
花帆 | ううん、あたしね、中学の頃、放課後は門限ですぐおうちに帰ってたから、 トクベツ仲いい子っていなくて。 |
花帆 | だから嬉しいの! |
さやか | ひゃっ。 |
花帆 | これからずっと、一緒にスクールアイドルしようね、さやかちゃん! 死ぬまで一生、スクールアイドルだよ! |
さやか | それはちょっと極端ではありませんか!? |
花帆 | 改めて |
花帆 | 本日からスクールアイドルクラブに正式加入した、日野下花帆です! どうぞ、よろしくお願いしまーす! |
梢 | スクールアイドルクラブ部長の乙宗 梢よ。 歓迎するわ、日野下さん。 |
綴理 | ようこそかほ。 いやーよかったねえ、こず。 |
梢 | それはどういう意味かしら、綴理。 |
綴理 | え、だって、毎日毎日、口を開けば、 かほが部に入ってくれたらいいのにって──。 |
梢 | ──コホン!ええそうね! 部員が増えれば、活動の幅も広がるものね! |
梢 | 部費も獲得しやすくなって、いいことづくめだわ! |
さやか | 村野さやかです。 |
さやか | ライブはまだやったことがないので、もしかしたら心がけなどを、 花帆さんに教えてもらうことになるかもしれませんね。 |
花帆 | コツはね、『楽しもう』だよ!さやかちゃん! |
梢 | あら、いいこと言うのね。 日野下さん、すっかり笑顔が輝いているわ。 |
花帆 | えっへっへー。 まだつぼみですけど、すぐに花咲いてみせますからね! |
花帆 | そしていずれは、この学校で笑顔を満開に! |
梢 | ええ。でもね、この学校を楽しくするのもあなたにとっては 大切なことかもしれないけれど、 |
梢 | 何事も自分が楽しんでこそ。 |
梢 | だから、 まずはあなた自身の楽しみを見出すところから、始めてほしいの。 |
花帆 | あたしの、楽しさ……!! |
花帆 | わ、わかりました! 楽しいこと大好きですから、がんばります! |
花帆 | あ、でも、あたし……。 |
花帆 | そしたら、 梢センパイにもワガママなこと言っちゃいそうなんですけど……。 |
梢 | 平気よ。 今さらひとり、面倒を見る子が増えたって。 |
綴理 | どうしてボクを見るの? |
梢 | 手のかかる子ほどかわいいって話。 |
綴理 | そうなんだ。 ボクかわいい? |
梢 | ともあれ、遠慮せずになんでも言ってちょうだい、日野下さん。 |
梢 | それであなたの心が花咲くのなら、お安いご用だわ。 |
花帆 | 梢センパイ~~! |
梢 | あら、まあ。 |
花帆 | だったらあたし、やりたいこと、もう決まっています! ライブです!ライブがいっぱいやりたいです! |
梢 | あら、それがあなたの『楽しいこと』? |
花帆 | はい!あのライブすっごくきもちよくて、 |
花帆 | それにあたしのステージを見てくれた人たちの笑顔も、 ぱーっと輝いて見えたんです! |
花帆 | まるで笑顔のお花畑が咲き誇っているみたいでした! |
梢 | そうね、いいわ。だったらやりましょう、ライブ。 スクールアイドルだものね。 |
花帆 | はい、この学校を笑顔にしちゃいましょう! ばーっと! |
梢 | それじゃあ早速、日時を決めて、 中庭を予約してこなくっちゃね。 |
花帆 | どこにお願いすればいいですか? |
梢 | とりあえずは職員室で手続きをしなくっちゃいけないわ。 |
花帆 | わかりました!いってきます! |
花帆 | 戻りました! |
梢 | あら、早い。 どう?中庭は借りられた? |
花帆 | はい! |
梢 | いいわね。 それじゃあその日まで一生懸命、練習を。 |
花帆 | 中庭だけじゃムリでしたけど! 端っことか隅っことか合わせて、一週間借りてきました! |
花帆 | これで明日から毎日ライブできます! |
梢 | ……。 …………一週間……!? |
梢 | ……そんなにずっとライブするの? |
花帆 | はい! |
梢 | どうして、一週間も。 |
花帆 | それはもちろん! 楽しそうだからです! |
花帆 | みんなー!ありがとうー! |
花帆 | みんなの笑顔、ステージから見えてるよー! |
花帆 | あたし、蓮ノ空のこと、大好きだよー! |
花帆 | スクールアイドル、最高ー! |
梢 | ライブが『いっぱいやりたい』って言うのは、 とにかくいっぱいやりたいって、 そのままの意味だったのね……。 |
梢 | でも。学校をやめるかもしれないだなんて言っていたあなたにとって、 夢中になれるものが見つかったのなら、それはいいことだわ。 |
花帆 | とにかくおっきな声を出して歌を歌うのって、 きもちいいねー! |
梢 | ……。 …………いいことなのかしら。 |