『Water the flowers』
PART 2
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パソコンを前にした、部屋でWith×meetsをやる時の画角の想定。
- 泉
私にとっての、三連華……か。
- 泉
そうだね。 私にとっての三連華は……蓮ノ空に来た理由そのものだね。
- 泉
あなたたちがどんなことをするのかが楽しみで、最初はそれだけで、
この蓮ノ空に転入を決めたんだ。 そのくらいには、重い名前だよ。 - 泉
ふふ、まだその時は三連華という名前がつく前だったけれどね。
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泉が楽しそうに微笑む。
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すると、この泉の画面がスマホに映っている形に。
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泉が語っている画面を、ラウンジで三連華が見ている。
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三連華がそろってソファに座って、瑠璃乃のスマホで泉のトークを鑑賞している図。
- さやか
あなたにとっての、三連華とは? ですか。
わたしが言うのもなんですが、良いテーマですね。 - 花帆
瑠璃乃ちゃん、天才かも!
あたしたちにとっての大事な思い出の動画にもなるね!! - 瑠璃乃
それにこれが、
ルリたちがルリたち自身を最後に見直す時間にもなるかなってさ。 - コメント
戻ってきて、続きのセリフから、というイメージ。
- 泉
三連華を名乗るという決意もまた、強く眩しく私の瞳に映った。
- 泉
これまでもそうやって、
ひとつひとつを全力でぶつかって乗り越えてきたのだろうと、
あなたたちの歴史を見た気分にもなれたからね。 - 泉
私は、この一年、あなたたちとともに在れたことを、誇りに思う。
- 泉
三連華とは、遠い憧れを抱きつつも、
自分たちは自分たちだと胸に刻んで大地に花咲く3人。
応援する皆に近しくも、強い輝きを放つ。 私はこう定義するかな。 - 泉
しかし今こうしてビデオメッセージを、となると寂しくも思うな。
これも卒業前の思い出作りのように感じてしまうのだけど。 - 泉
それとも……またなにか、私の想像していない、
新しいことでもやろうとしているのかな? - コメント
動画を見ている3人の反応。
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全員苦笑い。
- 瑠璃乃
泉ちゃんにはお見通しかあ。
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セラスが画面に向かって話しているところ。
- セラス
三連華のことを、このセラス 柳田 リリエンフェルトに聞こうとは……
ふっふっふ、最適中の最適な人選と言わざるを得ませんね。 - セラス
天地開闢以来の歴史を持つリリエンフェルト家において、
わたしほどスクールアイドルを愛した人物は他におらず、 - セラス
そしてまた三連華はスクールアイドルの中のスクールアイドル。
- セラス
豊穣の女神日野下花帆がひとたび花咲きたいと唱えれば、
大地を割って大輪の花を芽吹かせる。 - セラス
大賢者村野さやかが一言示せば、
断崖絶壁も音を立てて平服するように道を開く。 - セラス
そして博愛の聖女大沢瑠璃乃が荒野をひとたびそっと撫でれば、
豊穣と肥沃の大地へと生まれ変わる。 - セラス
わたしたちはただ、信じればよいのです。
悲しみも苦しみも、三連華の前には詮無きこと。 - セラス
さあ祈りましょう。 三連華の慈愛に恵まれんことをー。
- セラス
わたしもその恩恵に授かったひとり。
俯いてしまった時に足元に咲いた美しい花が、
わたしの心にもう一度熱をともしてくれた。 - セラス
そうです、その名をこそ、蓮ノ三連華と呼ぶのです。
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なにを言ってるんだこいつは、という勢いで3人が首をかしげている。
- 花帆
あはは。
- さやか&瑠璃乃
……?
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吟子が画面に向かって話している。
- 吟子
正直に話してほしいということなので、包み隠さずお話しますけど……。
- 吟子
周りを引っ張ると言えば聞こえはいいですが、
振り回すことにも躊躇ない人たちですよね、三連華って。 - 吟子
花帆先輩は言うに及ばず、
さやか先輩や瑠璃乃先輩のことも、小鈴や姫芽からよく聞きますし……。 - 吟子
もちろん、私ひとりではぜったいに得られなかった経験や楽しさ、
スクールアイドルとして大切なことを学ばせていただいたという意味では、 - 吟子
私の人生に大きな影響を与えてくれた人たちではあるのですが。
- 吟子
ただ……やっぱり心配が勝ちますよね。
大三角とか、私たち後輩がいなかったら今頃どうなっとったん? って。 - 吟子
梢先輩をはじめとした大三角とは違って、
引っ張って振り回してった先で凹んだり、
勝手に全部自分で背負おうとしたり、 - 吟子
信じて着いていっても一緒に迷子になりかけることが多かったですし?
- 吟子
そういうところ、もう少し自制がはたらけば
私もこんなところでこんな話をせずに済んだんですけどね。 - 吟子
ああ、そういえばこの前も花帆先輩は学校行くっていうのに
鞄丸ごと部屋に忘れて私が取りに行くことになってーー。 - コメント
そのお小言を聞いている花帆が死んだ顔で画面を見つめている。
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吟子がどんなことを言ってくれるのかと期待していた花帆が、めちゃくちゃ凹んでいる。
- 花帆
……。
- 瑠璃乃
あ、愛されてる証拠! 愛されてる証拠!
- さやか
吟子さんはこういう言い方しかできないんですから!!
- 瑠璃乃
それはそれで言いすぎだろ!
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小鈴が画面に向かって話している。
- 小鈴
徒町です!! えっと、うまくまとまるか自信はないですけど!
三連華は大好きな先輩で! 憧れで! ずっとついてきた背中で! - 小鈴
徒町はきっと、
一生先輩がたの背中を追って頑張るんだと、思います! 誇りです! - 小鈴
えと、他には。 他には。
- 小鈴
花帆先輩は、親しみがあります!
徒町もつまずくところで、よく一緒につまずいてくれます! - 小鈴
瑠璃乃先輩は、優しくて、
よく甘やかしてくれて嬉しいです! お姉ちゃんみたいです! - 小鈴
さやか先輩はもちろん一番の憧れで、自分に厳しくて、みんなにも厳しくて、
その厳しさを逃れられるのは綴理先輩だけだから羨ましくて、 - 小鈴
徒町にも綴理先輩と同じくらい甘やかしてくれてもーーって
これは言ってはいけないことですねたぶん!! おわりです!!! - コメント
慌てて動画を切るためスマホに手を伸ばす小鈴。
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さやかが顔を赤くして、ふたりに弁明している。
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花帆と瑠璃乃はそんなさやかを微笑ましく眺めている。
- さやか
べ、別に、綴理先輩だけトクベツ扱いしているわけじゃありませんよ!?
その人にはその人に合った接し方というものがーー。 - コメント
姫芽が画面に向けて話している。
- 姫芽
アタシに三連華のことを聞くとは、なかなか酷なことをしますね。
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頬をかいて、少し困ったような表情。
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姫芽が腕を組む。
- 姫芽
いや~、三連華ってアタシのことをだいぶ悩ませてくる存在なんですよ。
- 姫芽
るりめぐこそ至高、るりめぐこそ神と信奉するアタシにとって、
るりちゃんを取り巻くもうひとつの巨塔……それが三連華……。 - コメント
それからふと思い立ったように。ここだけまじめに。
- 姫芽
もちろん、花帆先輩とは仲良しですし、
さやか先輩は質実ともに尊敬できる先輩です。 - 姫芽
まっすぐ目標に向かって努力する姿勢とか、すごくシンパシー感じます。
- コメント
オタクの気持ちに戻ってきて。
- 姫芽
それはそうとして、ライバルとして見れば良いのか、
どっちも推すことがるりちゃんを完璧に推すことに繋がるのか、 - 姫芽
いやそれはアタシが掲げてきた
るりめぐ至高論に水を差す行為なのではないか……うごごごご。 - 姫芽
なにせこの2年間、るりめぐよりも長い期間、
アタシの目の前で展開されてきたてぇてぇ展開の数々……
目を奪われなかったと言えば嘘になる……。 - 姫芽
アタシはどうすればいいんだ……!?
- 姫芽
いわばるりめぐと三連華は、
別の味を提供してくれる組み合わせではあるんですよ。 - 姫芽
三連華でいるときのるりちゃん先輩は、
なんかこう、すごく自然体で、ああ、聖女じゃなくて、いや聖女なんですが、
ひとりの女の子なんだな……って感じで、 - 姫芽
見てて幸せになってきますし。
- 姫芽
しかしそれをただにこにこ応援するのは
るりめぐを推すアタシへの裏切りなのか……
どっちも可愛いで済ませられないめんどくさいオタクのサガ……! - コメント
頭を抱えてうめく姫芽が、助けを求めるような顔でカメラに向き直る。
- 姫芽
う~んすみません、
ちょっと結論出ないんで来年も三連華やってくれませんかね。 - 姫芽
あ、違いますよ! これは決しててぇてぇの過剰摂取を決め込むことで
アタシの理性を崩壊させて何も考えられないようになりたいとか
そういうことではなくてですね!! - コメント
瑠璃乃がぱっとスマホの画面を落とす。
- 瑠璃乃
最後のは見なかったことにしよう。
- 花帆
いやいやいやいやいや、う、嬉しいコメントだったよ!?
- 花帆
あんなにるりめぐ大好きな姫芽ちゃんが、
悩むくらいにあたしたちのことを好きでいてくれたっていうことで! - 花帆
吟子ちゃんに比べたら、ね!?
- 花帆
吟子ちゃんももっと、あたしたちの好きなところトップ10♡
みたいな話をしてくれればよかったのに……! - さやか
あれも花帆さんが愛されている証拠ですよ。
わたしは逆に小鈴さんに色々言いたいことが……。 - 瑠璃乃
あれだってさやかちゃんに甘えられるっていう良いことだから! ね!?
意味不明なこと言い出した姫芽よりはずっと! - 花帆
よ、よくわかんないけど褒められてたし愛情表現だよきっと!
- さやか
セラスさんはセラスさんで、また神とか言い出してましたし……。
- 瑠璃乃
なんか最初に花帆ちゃんが作ってきた曲みたいだったね。
- 花帆
あそこまでじゃなかったよね!?
- さやか
しかし、まっとうに参考になりそうな意見をくださったのは、
まさか最初の泉さんだけですか……。 - 瑠璃乃
まあまあそのほら。 姫芽も含めて全員、
ルリたちのこと大好きでいてくれたということでひとつ。 - 花帆
ふむ……そうなるとだよ、瑠璃乃ちゃん。
- 花帆
結論としては、みーんなに愛されてるあたしたちってすごい! でいい?
- 瑠璃乃
いやーーー……!
- さやか
わたしたちそういうのじゃないって話したばっかりじゃないですか……?
- 瑠璃乃
そ、そうだよ! みんなのインタビューだって、
手放しに褒めてくれてる感じじゃなかったよ!? - 花帆
んぇー……? じゃあ、結局あたしたちって……?
- 瑠璃乃
そうだなあ……。
- さやか
こうなったらもう一度わたしたちで、
いったん全部なかったことにして、ゼロからやり直すとか……! - 花帆
待って、だったらスクールアイドルクラブに限らない、
みんなにインタビューするのはどうかな! - さやか
みなさんお忙しいとは思いますが……背に腹は代えられませんか。
今から学年全体、いえ学校全体に……! - 花帆
三連華って誰? とか言われたらちょっと傷つくけど!
- さやか
ある程度の傷は必要経費と割り切りましょう! 行くしかありません!
- 花帆
瑠璃乃ちゃん、行くよ!
- 瑠璃乃
あ、ちょ、ちょっとまってね、もう送れるから。
- さやか
送れる?
- 瑠璃乃
ちょっとデータが重くて……はい。 いちおう、みんなのインタビュー動画、
いつもの3人のグループに送っといたよ。 - さやか
あ、きましたきました。 ありがとうございます。
- 花帆
ありがと!
- 花帆
そうだよね、これだって卒業前のあたしたちにとっては、宝物だもんね。
みんながあたしたちのこと話してくれてるインタビュー動画。 - 花帆
……あ。
- 瑠璃乃
あれ、花帆ちゃん来てない?
- 花帆
……ううん、そうじゃなくて。 そうじゃなくてさ。
- 花帆
なんか突然わかった気がして。
- 瑠璃乃
ふぇ?
- 花帆
グループチャットの名前の……蓮ノ三連華。
- さやか
はい。 ……それが?
- 花帆
これじゃない? あたしたちって。
- 花帆
3年間ずっとさ。 ずーっと、相談しながら、走ってきたよね。
- 花帆
仲良く話しながら、こうやってなんでもシェアしてさ。
一日や二日じゃ遡り切れないぐらい、いろんな思い出が詰まってる。 - 花帆
遡れば遡るほど、ほんとずっと仲良く話してるよ。
- 瑠璃乃
ぷっ。
- さやか
え、なんで笑ったんですか今。
- 瑠璃乃
いやほら、誰かは言わないけど。
- 瑠璃乃
『改めまして、何卒よろしくお願い申し上げます。
- 瑠璃乃
至らぬ点も多々あるかと存じますが、1年生3名で力を合わせ、
より一層の結束を深めてまいりましょう。』 - 花帆
うわ、かったぁ。
- さやか
わたしでしかない!! 名前伏せる意味ありました!? ねえ!?
- さやか
そ、それを言うなら誰かさんは、
充電切れになってるタイミングが丸わかりですよ! - さやか
見てくださいこの、
わたしと花帆さんが長々話したあとにあるよくわからないスタンプひとつ! - 花帆
あはは、ほんとだ。 この時絶対ダンボールの中だ。
- 瑠璃乃
そ、それも伏せた意味がねえ……!!
- 花帆
それに比べてあたしの健全なこと!
いつも元気で楽しそう、写真もたぶん一番送ってる! - 瑠璃乃
いや花帆ちゃんが一番わかりやすいよ。
- さやか
そうですよ、もはや誰かさんとからかう必要もありませんよ。
- 花帆
ええ!? なんで!?
- さやか
グループに現れない日はぜったいに凹んでますからね。
それでいつも心配になってわたしから連絡してるんですから。 - さやか
花帆さんとの個別のチャットなんかいつもわたしが励ましてますよ。
瑠璃乃さんも同じなのでは? - 瑠璃乃
まあそうだよね。 あまりにわかりやすいから。
- 瑠璃乃
ていうかさやかちゃんとルリの個別のチャットも、
花帆ちゃん今日どうしたんだろうねみたいな話ばっかだよ。 - 花帆
ぐぬっ。
- さやか
おかげでまったく……ふたりに連絡しない日なんてありませんでしたよ。
わたし本来こんなタイプじゃなかったんですからね。 - 瑠璃乃
あはは。 ルリもそうかも。
めぐちゃんとは通話は多いけど、チャットあんまりしなかったし。 - 瑠璃乃
なんでもかんでも遠慮なく動画とか画像送りつけるのもここだけだよ。
- 花帆
あたしはもとから誰でもなんでも話しちゃうけど……でも、
その中でもここが一番多いかな……うん。 そう思う。 - 瑠璃乃
3人で……ずーっと、やってきたねえ。
- さやか
ですね……。 大きな夢を、叶えるまで。
- 花帆
あたしたちは、完璧じゃないかもしれないけど。
- 瑠璃乃
それでも、支え合って、どうにか、目指すところまでやってきたね。
- さやか
ずっと、一緒に、同じ体験をして。
お互いに、大変な時は慰めたり、慰められたりしながら。 - 花帆
3年間ずっと一緒だった……。
- 瑠璃乃
そっか、それを、か。
- 花帆
うん。 それをだよ、瑠璃乃ちゃん。
- さやか
それを……歌にしましょう。
- さやか
特別でなくとも、たどり着けたのはみんなに誇れるすごい場所。
それができたのは、わたしたち3人が、いつも一緒に、走っていたから。 - さやか
これが、三連華らしさ。
- 花帆
そう!
- 瑠璃乃
わーーー、なんか曲のイメージ、すごくできてきた!!
- さやか
わたしもです。
- 花帆
もちろんあたしもだよ!! よーっし、それじゃあ今から作ろう!!
- さやか
ですね。 ここで、3人で。
- 瑠璃乃
うん。 ルリたちらしく、仲良く、一緒に!