第9話『ALL Link to YOU』
PART 2
- 花帆
わ~~~~……。
- 瑠璃乃
で、でけえ……!
- 花帆
これほんとに予約取れてるの……!?
100万人ぐらい入れそうだよ……!? - さやか
金沢で最大級のステージ、石川県産業展示館。
全館合わせた収容人数は、約2万人。 - さやか
今回は駐車場を含めた、すべての敷地を使うことになります。
- 瑠璃乃
いや~。 ルリたち、ついにここまできちまったかぁ……。
- 花帆
思えば、長い旅だったね……。
- 瑠璃乃
カリフォルニアから帰ってきて、
スクールアイドルクラブのドアを叩いて……。 あれからもう、2年……。 - 花帆
瑠璃乃ちゃんが新入部員として入ってきてくれて、嬉しかったなあ……。
- 瑠璃乃
最初は、いっぱい迷惑かけちったけどさ。
- 花帆
ふふっ、それだってもう、ぜんぶ楽しかった思い出だよ。
ありがとね、瑠璃乃ちゃん。 瑠璃乃ちゃんに出会えて、よかった。 - 瑠璃乃
それはこっちのセリフだよ、花帆ちゃん。
花帆ちゃんがいたから、ルリはここまでこれたんだよ。 - 花帆
瑠璃乃ちゃん……。
- コメント
急にイチャイチャし始めたふたりに、目を吊り上げて突っ込むさやか。
- さやか
なにいい雰囲気になっているんですか!
浸るのはまだ早いですよ!? - 瑠璃乃
さやかちゃんにも出会えて、よかった……。
- 花帆
さやかちゃんがいたから、ここまでこれたんだよ……。
- さやか
それは3月になってからもう一度言ってください!
- さやか
ほら! もう行きますよ!
瑠璃乃さん、充電は大丈夫ですね!? - 瑠璃乃
ん。 バスの中でぐっすり寝たから、とりあえず大丈夫!
- 花帆
じゃあ……いこっか!
- さやか
はい。
- コメント
歩き出そうとするさやか。しかし花帆がついてこない。
- さやか
……花帆さん?
- コメント
花帆、もじもじしながら、まだ感動に浸っていた。
- 花帆
ね、ね。 どーする? ね、3人で手を繋いで、せーので入る?
- さやか
もう設営のお手伝いの方々も来てくださっているんですから!
すぐ行く! さあ行く! - 花帆
ああっ! もうちょっとだけ浸らせてよ~~!
- 瑠璃乃
あはは。
- コメント
スタッフさんとの合流場所へ移動した3人(背景は同じでも大丈夫ですが、移動はしたよという体で)
- コメント
ざわざわとした人の声。多くのお手伝いのスタッフに混じり、取材陣なども集まっている。そんな大勢の前に立って、ご挨拶を務める花帆。
- 花帆
きょうは、集まってくださって、本当にありがとうございます!
- 花帆
9月のBloom Daysで手伝ってくださった、金沢の街のみなさん。
あたしたちの声を聞いて来てくれたボランティアの方々。 - 花帆
呼びかけに答えてくれた、スクールアイドルのみんな。
それに、広実ちゃんが集めてくれた人たちも。 - 花帆
県内からも、県外からも、
こんなに多くの人が集まってくれて、あたしはほんとに嬉しいです! - コメント
花帆、ぎゅっと拳を握り。
- 花帆
大勢の力で、こんなに大きなステージも借りることができて……!
もう、ほんとに、なんてお礼を言えばいいかわからないぐらいですけど……! - 花帆
でもこのお礼は、Starring Bloomの花丸大成功で、返したいと思います!
- 花帆
『すべての人を花咲かせるステージ』を作るために、がんばりましょうー!
- コメント
そこで『おー!』という大きな声。
- コメント
同シーン内、場面転換。
- コメント
挨拶を終えた花帆が、さやかと瑠璃乃のもとに戻ってくる。
- 花帆
ふー、緊張しちゃったぁ。
- さやか
お疲れ様です、花帆さん。
- 瑠璃乃
さっすが花帆ちゃん。 いやー、気合入ったねー。
- 花帆
えへへ、それならよかった!
- さやか
そろそろ、スクールアイドルクラブの他のメンバーも到着する頃ですが……。
- 瑠璃乃
んー、瑞蓮祭の後片付けも終わったから合流しまーす、
ってメッセージ来てたんだけど。 - コメント
きょろきょろと周囲を見回すさやか、瑠璃乃。
- 姫芽
る、るりちゃんせんぱ~い~。
- コメント
そこで、へろへろな声。
- コメント
やってきたのは、よろよろとした姫芽ひとり。
- 瑠璃乃
あれ? 姫芽だけ? てか、どったの?
- 姫芽
大変ですよぉ~。
駐車場に、もうすっごくたくさんの取材陣が、詰めかけてきてて~。 - 花帆
ええっ!?
- 姫芽
みんなで手分けして、対応してました~……。
- さやか
は、早くも注目が集まっているんですね……。
これは、むしろ良いこと、ですね! - 瑠璃乃
う、うん! そー思う!
- 吟子
それが、なんだか話がヘンな風に広まってるみたいで……。
- コメント
姫芽と同じように、今度は吟子がよろよろとやってくる。
- 花帆
ヘンな風……?
- 吟子
『Starring Bloomに参加すると、なんでも願いが叶うらしい』って……。
- 瑠璃乃
ええっ!?
- 姫芽
あ~……それ、アタシも言われました~……。
- さやか
どうしてそんな話に!?
- コメント
泉とセラス、合流。セラスはよろよろしているが、泉は涼しい顔。
- 泉
『蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブには、
人の夢を叶える力がある』とも、言われていたね。 - セラス
さ、さすが花ちゃん……!
- 花帆
そんな力、ないよ!?
- セラス
でも花ちゃんたちは、わたしの夢を叶えてくれた。
- 花帆
そ、それはそうかもだけど……?
- 泉
実際に、ほら。
Starring Bloomの告知サイトの、ページビューだけれど。 - コメント
スマホを見せてくる泉。
- コメント
覗き込む瑠璃乃、さやか。
- 瑠璃乃
な、なにこの数字!? 見たことない桁になってる……!
- さやか
せ、世界中の期待が、集まっているんですか……!?
なんという大きなチャレンジ……! - 瑠璃乃
見てこの、コメント。
- 瑠璃乃
『会場に行くだけで、なんでも願いが叶うの?』
『まあ、行ってみようかな?』 - 瑠璃乃
『よくわかんないけど、冬休みで暇だし』
『私、もっとかわいくなりたい!』『お小遣い上げてほしい』……。 - 吟子
私たちをなんやと思っとるん!?
- 泉
あそこで、力いっぱいに宣伝してくれる方も、いらっしゃるしね。
- コメント
泉が顔を向けると、そこには小鈴。
- コメント
小鈴は、少し離れたところでスクールアイドルやレポーターに囲まれながら、ニッコニコで大きな声で話している。
- 小鈴
はい! すべての人が花咲けるステージです!
徒町たちは、そういうものを作ります! - 小鈴
やってやりますから! どうかみなさん、お楽しみにしていてください!
ちぇーすとー!! - 吟子
あ、あの子……!!
- コメント
言いすぎちゃう!?と思わず拳を握ってしまう吟子。
- 姫芽
いやあ……。
でも、やろうとしているのは、つまりそういうことなんだよな~。 - 瑠璃乃
ど、どーする……?
- さやか
そうですね……。 期待してもらいたいのはもちろんですが、
とはいえ、あまり期待させすぎてしまうというのも……! - 花帆
……。
- ???
あ、あの……。
- 花帆
あ、はい!?
- お手伝いのスクールアイドル
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの皆さん、ですよね。
私、このステージのお手伝いをしたくて、他県からやってきました。 - 花帆
わ、そうなんだ?
ありがとね、来てくれて! - お手伝いのスクールアイドル
はい、それで……。
本当ですか? このステージに出たら、『願いが叶う』って。 - 花帆
そ……それは……!
- コメント
切り替えたのに、さっきまでの悩みがまたしても降りかかってきた!
- コメント
花帆、悩む。悩みながら、想いを口にする。
- 花帆
ぜんぶの願いが叶うっていうのは、
ちょっと、違うかもだけど……。 - 花帆
でも、うん。
あたしたちはそうなればいいなって思って、ステージを作るつもり! - 花帆
ね、あなたの願いは、なに?
- お手伝いのスクールアイドル
私は……。
- お手伝いのスクールアイドル
もう一度、先輩と一緒のステージに、立ちたい。
- 花帆&さやか&瑠璃乃&吟子&姫芽&泉&セラス
!
- お手伝いのスクールアイドル
高校生活に、後悔が残ったから……。
私ももう、三年生で、だから……。 - お手伝いのスクールアイドル
ここでなら、引退した先輩も、帰ってこれるって聞いて……。
- 花帆
叶うよ!
- お手伝いのスクールアイドル
そ……そう?
- 花帆
うん! その願いなら、あたしたちがぜったいに叶えてみせるから!
Bloom Garden Partyで……ううん! この、Starring Bloomで! - 花帆
あたしたちもがんばるから!
だから、みんなで一緒に、花咲こうね! - お手伝いのスクールアイドル
……うん。
- お手伝いのスクールアイドル
ありがとう、ございます。 私も、がんばってお手伝いします。
このStarring Bloom、成功させましょうね。 - 花帆
うん!
- お手伝いのスクールアイドル
では、失礼しました。
- コメント
花帆、みんなを振り返る。
- コメント
さっきまでの悩みはまだあったけど、具体的な言葉を口にしたことによって、それを上回る決意が花帆の中に誕生していた。
- 花帆
……あたしたちだけじゃない。
いろんな人が、このStarring Bloomに想いを乗せてくれてるんだ。 - 花帆
ぜんぶの願いが叶うっていう誤解は、解かなきゃだけど……でも!
あたし、叶えられる願いはぜんぶ叶えてあげたい! - コメント
力説する花帆に、瑠璃乃とさやかが笑顔でうなずく。
- コメント
そこに、泉が水を差す。
- 泉
……と言っても、収容人数2万人の会場だ。
来てくれたスクールアイドルの数は、
これまでのイベントとは比べ物にならない。 - 泉
その大半の願いを叶えようとするだけでも、じゅうぶんすぎるほどの偉業だ。
- 泉
いくつかの願いは、次回のBloom Garden Partyに回すというのも、
現実的なプランだと思うのだけれどね。 - 泉
少なくとも、背伸びして無理な成功を望むよりも、
- 泉
スクールアイドルクラブの102期生が帰ってくる場所を作るためなら、
その方がいいんじゃないか? - 花帆
……ううん、泉ちゃん。
- 花帆
ごめん。 みんなにも、無理させちゃうかもだけど……
でもこれが、あたしのやりたいことなんだ。 - 花帆
センパイ方の戻ってくるステージを作りたい気持ちは、本当だよ。
でもね。 - 花帆
来てくれた人ひとりひとりに『花咲いた』って思ってほしい。
- 花帆
あたしが蓮ノ空に来て、梢センパイに出会って、
みんなに出会って……そう思えたみたいに。 - 花帆
みんなが花咲く瞬間の笑顔を見るのが、あたしは、大好きだから。
- コメント
胸に手を当てて、微笑む花帆。
- 花帆
この1年で、改めてわかったんだ。
- 花帆
不器用でも、不格好でも、精一杯に咲き誇るお花畑……。
- 花帆
満開の笑顔を見るのが、あたしにとっての夢。
あたしにとっての、スクールアイドル活動なんだって! - 花帆
ね、大丈夫だよ!
ここまで来たあたしたちなら、きっとできるよ! - コメント
全員を勇気づけるように声をあげる花帆。
- コメント
さやかと瑠璃乃が、それぞれ花帆を見て笑う。
- さやか
夢の、推進力。
- 瑠璃乃
だね。
- コメント
104期3月の終わりに、花帆に部長を託そうとしたさやかが、そのときの気持ちを思い出しながら温かく微笑む。
- 花帆
えっ?
- さやか
花帆さんの言っていることは無茶苦茶で、
正直『世界を平和にしたい!』みたいな大それた願いだと思うんですけど。 - 花帆
あたし、そこまでのことを言ってる!?
- さやか
でも、確かに思うんです。
本当にそれができれば、どんなにいいことか、と。 胸が熱くなるんです。 - 瑠璃乃
きっと、それが夢の推進力なんだよ。
- 瑠璃乃
花帆ちゃんは、ルリたちに誰よりもデッカい夢を見せてくれるから。
その夢を一緒に見たくて、がんばろうって思えるんだ。 - 瑠璃乃
なにがなんでも、やらなきゃね、って。
- コメント
そう微笑むさやかと瑠璃乃。
- コメント
ひと段落した辺りで、花帆の答えに、泉も頬を緩める。
- 泉
……なるほどね、いい答えだ。
- 吟子
わざとでしょ、泉。
いちいち悪役になろうとする癖、もうやめたら? - 泉
おや、なんのことかな?
- コメント
嬉しそうに微笑する泉。あえて言語化した困難を与えることで、その反対の解答を引き出して楽しむ悪癖のある泉に、言われちゃったね~wとばかりに、楽しそうに肘でつつく姫芽。
- 姫芽
うぇ~い~、い~ずみ~ん。
- 泉
よしなよ。
- コメント
ダル絡みされ、困ったような笑顔で笑う泉。
- コメント
花帆を眩しそうに微笑みながら、ぐっと決意を新たにするセラス。
- セラス
うん、がんばろ!
『すべての人が花咲くステージ』を作るために! - コメント
そこで、全員の気持ちが花帆の決意のもと団結したところに、ちょうどよく小鈴が走って戻ってくる。
- 小鈴
お待たせしました、みなさん! あれ!?
なんだかやる気に満ちた顔をしていらっしゃいますね!? - 泉
ああ、ようやく私たちも今、
小鈴さんの気持ちとひとつになれたんだよ。 - 小鈴
どういうこと!?
- 花帆
それじゃあお願い! 小鈴ちゃん!
- 小鈴
え!? はい! よくわかりませんが求められたなら疾風怒濤!
- 小鈴
不肖、徒町小鈴、気合い入れの掛け声をやらせていただきます!
いきますよ!? - コメント
メンバー全員、ぐっと拳を構えて、ちぇすとの用意!
- 小鈴
せーのっ! がんばるぞ~~!!
- 全員
ちぇすと~~~~~~~!!
- コメント
Starring Bloomの準備、開幕だ!!