第8話『今はまだ遥か幽かな光』
PART 3
- 小鈴&セラス
長野だー!
- 姫芽
いや~、なんやかんや瑞蓮祭以来の長野ですねぇ~。
- 吟子
私は一応、その後にも花帆先輩の実家にお邪魔したけど……。
でもそれ以来かな。 - 泉
おっと、お出迎えだ。
- 海莉
皆さん、ようこそいらっしゃいました!
遠路はるばる、ありがとうございます! - セラス
紹介しますね。 この子が、立科 海莉。
今回のお話をもってきてくれた子で、わたしの一つ下の後輩。 - セラス
瑞河時代は、大勢の生徒と一緒に、泉のサポートをしてくれてたんです。
- 海莉
セラス先輩と桂城先輩には、たくさんお世話になりました!
- 吟子
セラス先輩……。
そっか先輩か、そうだよね。 - セラス
うん。 それでこちらが、今のわたしの先輩方。
- 海莉
わあ、本物の『蓮ノ小三角』の方々だぁ……!
ご一緒できるなんて、光栄です! - 小鈴
えへへ、照れちゃうなあ。
- 海莉
去年の瑞蓮祭のときは、ご挨拶できずじまいだったので、
改めて、よろしくお願いします! - 海莉
あ、蓮ノ空女学院の生徒会からも先日、
第二回瑞蓮祭の共同開催の許可をいただきました! - 海莉
便宜を図ってくださって、ありがとうございます!
- 吟子
うちの先輩方も、蓮ノ空からサポートしてくれてるからね。
- 姫芽
やるからには、がんばって成功させようね~。
- 海莉
はい!
- 小鈴
元気いっぱいで素敵な後輩さんだね、セラスちゃん。
- セラス
はい。 海莉は、わたしのことをすごく尊敬してくれてたんです。
それこそ、今のわたしが小鈴先輩を熱烈に尊敬してるように。 - 海莉
だってセラス先輩は本当に瑞河のために一生懸命がんばってて、
真面目で、大人で、いつだって颯爽としてて……。 - 海莉
まさに、仕事のできる先輩って感じの方ですから!
- 吟子
えっ……えっ!?
- 姫芽
真面目で……。
- 小鈴
オトナ……!?
- セラス
ええ、ええ。 まあ。
- 泉
まあ、その話はおいおいと。
海莉さん、早速だけれど、第二回瑞蓮祭の具体的な話をしようじゃないか。 - 海莉
あ、そうですね! 実行委員会の皆さんにもご紹介させてもらいますね!
こちらへ! - 吟子
なんか、私たちの知ってるセラスさんと、だいぶ印象が違うような……。
- 小鈴
まだ徒町でもなれてない、オトナ……!
- 姫芽
ひとまず、お疲れさまでした~。
- 海莉
お疲れさまでした!
- 吟子
第二回瑞蓮祭の準備は、もうずいぶん進んでるんだね。
- 小鈴
ね。
徒町、またビラ配りとか、市役所とかに行くのかと思ってたよ。 - 海莉
その辺りは、地元のみんなでどうにかこうにか、やってます!
- 泉
だからね、私たちEdel Noteと蓮ノ空のみんなには、
瑞蓮祭当日のメインステージを任せてくれるそうだよ。 - 泉
注目を集めるには、そこが結局いちばん大事だからね。
- 小鈴
大役だね……!
- セラス
泉、先に海莉と打ち合わせしてたの?
- 泉
もちろん。 私なりに、こうすればいいんじゃないかと思った部分は、
計画書にまとめて送っておいたよ。 - 泉
瑞蓮祭の実行委員とも、リモートで協議を進めていたんだ。
- セラス
いつの間に……!?
- 泉
本気でやると決めたからね。
- 海莉
いつもアドバイスをくれる専門家の方も、
計画書の完成度に舌を巻いてました。 さすが桂城先輩ですよね……! - 泉
そうかい? それはよかった。
背景と現状分析。 復活の意義、コンセプト。 - 泉
そのためになにをすればいいのかの課題。
地域との協力体制、そして将来の展望。 - 泉
それらをまた一から洗い出し……時間のない中で、
精一杯詰め込んだ甲斐があったね。 - セラス
……やるじゃん!
- 吟子
ええと、それじゃあ、ひとまず整理すると……。
- 吟子
第二回瑞蓮祭の目的は、より大勢に瑞河を知ってもらい、
その復活を後押しすること、でいいんだね。 - 泉
ああ。
- 海莉
はい! それで間違いありません!
- 吟子
だったら私たちも、いつもの配信とかも使えるね。
- 姫芽
配信と言えば、今年のみらぱ!だからね~。
- セラス
頼りにしてます!
- 海莉
前回の瑞蓮祭も、大勢に瑞河の現状を知ってもらって、
プレーオフ出場を応援してもらうことが目的でしたから。 - 海莉
そういう意味でもやっぱり、瑞蓮祭の名前をお借りしたいというわけでした。
- 泉
ただ、それじゃああくまでも“前回と同じ”でしかない。
- 吟子
どういうこと?
- 泉
運営の方々とも協議したんだけれど、
これは、あくまでも必要条件なんだよ。 - 泉
蓮ノ空でも言ったように、今回復活する瑞河は、
もとの瑞河とは名前が同じなだけの別の高校だ。 - 泉
だからこそ、この瑞河には旧瑞河の歴史や……想いが受け継がれている。
そう示すことが、十分条件だと思わないかな? - 小鈴
おお……!
- 吟子
伝統が受け継がれていることを示す……。
確かにそれができたら、理想だと思うけど……。 - 泉
ああ。 そういうわけで計画書を作る他にも、
寝る間を惜しんで、いろいろと根回しを進めていたんだ。 - 泉
意義を説いて人の心を動かすのは大変だったけれど……
蓮ノ空での、これまでの経験が活きたね。 - 泉
とりあえずはここまで漕ぎつけられて、よかったさ。
- 吟子
……泉さんって、将来政治家にでもなるつもり?
- 姫芽
やるなぁ~。
- 泉
というわけで、海莉さん。
- 海莉
はい! ですので、Edel Noteのおふたりにも、
ぜひともメインステージをお願いはしたいんですけど。 - 海莉
それ以外にも! 他にもいろいろとありまして!
- 海莉
瑞河が受け継がれていることを示すなら、おふたりの名前は欠かせません。
- 海莉
桂城先輩は瑞河の名前を知らしめた立役者で、
地元で育ったセラス先輩は瑞河復活の象徴です。 - 海莉
ですから、桂城先輩のアイディアで、セラス先輩には……。
- 海莉
瑞河救国の聖女、ジャンヌ・ダルクになってもらおうと、思うんです!
- セラス
…………へ?
- セラス
…………は?
- 海莉
セラス先輩! とっても似合ってます! 美しいです!
桂城先輩も、すごく見目麗しくて、素敵です! - 泉
ふふ、ありがとう。 このためにEdeliedの衣装を手直しして、
持ってきたかいがあったよ。 - 海莉
では、まずはパンフレット用に、撮影を始めさせてもらいますね!
- 海莉
ちゃんとスタジオを借りて、
プロのカメラマンの方もご用意しましたから! - セラス
ええっ……!?
- セラス
ちょ、ちょっと待って、泉、海莉。 わたしだけ聞いてない!
説明とか、説明とかないの? - 海莉
せつ、めい……?
- セラス
救国の聖女ジャンヌ・ダルクって、なに!?
- 海莉
セラス先輩のことですが……?
- セラス
わたしはセラス 柳田 リリエンフェルトだよ!?
- 姫芽
この世には、るりちゃんせんぱい以外にも、聖女がいたんだねえ~。
- 泉
セラスが救国の聖女なら、私はそれを支えるナイト、というわけだ。
瑞河復活を掲げる象徴として、ふたりでがんばろうじゃないか。 - セラス
で、でも、こういう方法じゃなくても……。
- 吟子
いいじゃんジャンヌ・ダルク。セラスさんにぴったりだよ。
- 姫芽
きゃ~、現代に生誕せし救国の聖女さま~。
- セラス
適当言ってますよね!?
- 小鈴
セラスちゃん、何事もチャレンジだよ! パンフレット撮影チャレンジ!
がんばって! - 泉
ほら、撮るよ、セラス。
- セラス
ああもう! ぴーすぴーす!
- 海莉
あ、だめですセラス先輩。
笑わないでください。 - セラス
!?
- 海莉
もっと憂いを帯びた瞳で、
今はどこにもない祖国を儚むお姫様のようにお願いします。 - セラス
急に言われても……!
- 海莉
できます、セラス先輩なら。
- セラス
こ、こう……?
- 海莉
だめですもっと張り裂けそうな悲しみを瞳に称えて
それでも毅然と胸を張りレンズの向こうの民衆に強く訴えてください! - セラス
わかんないよ!
- 吟子
この世にはどこにでも、姫芽以外にも姫芽みたいなひとがいるんだね。
- 姫芽
シンパシー感じますねえ~。
アタシとはちょっと流派が違うかなと思いますが~。 - 吟子
流派とかあるんだ……。
- 海莉
桂城先輩、すっごくいい感じです!
- 泉
ふふ、ありがとう。
- 海莉
じゃあセラス先輩、次は『心だけは決して屈せず誇りを秘めながらも
やがて迫りくる運命を静かに受け入れた微笑』をお願いします! - セラス
わかんないよ!!