それではまずは、スリーズブーケから～。
いぇ～い。

よろしくお願いします。

よろしくねー！

さて、と。 スリーズブーケでは、
まず蓮ノ空のスクールアイドルクラブに慣れてもらうために、

基礎練から始めようと思うんだけど。

うん、あたしもそれでいいと思う！

じゃあ、普段使ってるランニングコースとか、案内するね。

はい。 よろしくおねがいいたします。

ふふふふ。

……なに？

先輩一年生の吟子ちゃんを見るの、楽しいなあ、って。

む……。

グッときちゃうね。

なんでセラスさんがそっち側なの……。

先輩活動は大変だけど、がんばってね。
あたしの真似をするんじゃなくて、吟子ちゃんらしくでいいんだからね！

いや、花帆先輩の真似とかぜったいしたくないから。

なんでー！？

それじゃ、ストレッチから。

あ、待って。 その前に。

？

可憐なつぼみは、美少女桜。

とびきりかわいいスリーズブーケ、セラスちゃんだよ。
きゅるんっ。

……え、なに？

名乗り。
考えてきた。

すごい！ やる気満々だ！

あ、私たち、そういうのやってないから……。

わたしが入った暁には、中からスリーズブーケを変えようと思う。

早くも野望がすごい！？

なんなん……。

念願のスクールアイドルができるから、浮かれているね、セラス。

浮かれてるんだ、これ……。

はい。
体力と筋力はありませんが、顔の良さには自信があります。

セラスさんのアピールポイント、そこ！？

あと、曲作りとか、できます。 かなり。

すごい！
え、やっぱりスリーズブーケに勧誘したほうがいいんじゃ……！？

確かに、今年は梢先輩がいないから、私たちすごく苦労しそうだけど……。

でもだめだよ、花帆先輩。

『ムリヤリな勧誘を始めたら止めてあげて』って、
梢先輩からもらった花帆先輩の取扱説明書に、書いてあったから。

あたしの取扱説明書ってなに！？

花帆先輩をお願いされたんだから、私。

逆でしょ！？ 吟子ちゃんがあたしの後輩だよね！？
どういうことですか梢センパーイ！

それでは、とりあえず、今年のスリーズブーケの目標？を、
お聞かせいただけるでしょうか。

なんでそっちが面接する側なの！

セラスは、構ってくれる人には無限に付きまとうから、
ほどほどにするといいよ。

振り回されている吟子さんを見るのも、楽しいけどね。

おのれ……。

でも、目標かあ。 なんだろうね、吟子ちゃん。

……こないだ話したアレでしょ、アレ。

あ、そっか。

それは私も興味があるね。

うん、えっとね。 あたしが部でやりたいことと、
スリーズブーケの目標はちょっとだけ違っててね。

どちらかというと、
もうちょっと具体的になってる、が正しいかな？

ふむふむ。

スリーズブーケはあたしと吟子ちゃんのユニットになったから、

あたしと吟子ちゃんがふたりでやりたいことをやろう、
って話をしたんだ。

それは？

スリーズブーケは『さくらんぼ色の花束』。

だからね、見てくれた人に花束をプレゼントするような、
素敵なステージをこれからも作りたいな、って。

あたしたちはそのステージでみんなの笑顔を花咲かせられるように、
がんばるんだよ。

おお～……。

今年も、吟子ちゃんの素敵な衣装デザイン、いっぱい期待してるからね！

ま、まあ、それは……。
あくまでも、私がやりたいから、やるだけですけど……。

今からFes×LIVEが楽しみだなあ！

善き…………。

これがね、“スクールアイドル”。
どう？ ヤバでしょ。

誰に話してるの……。

ひょっとしてせっちゃん、感動してたりする？

実は、セラスはプレーオフに出場して以来、ずっとこうなんだ。

あなたたちを含む、すべてのスクールアイドル、
そしてそれを応援する人々に救われただろう？

それがセラスの中では、大きな転機になったみたいで。

最高なんだよね、やっぱ……。
“スクールアイドル”ってやつは……ね。

しばらくしたら戻ってくるから、気にしないでくれ。

う、うん。

扱いに、慣れてるんだね。

そりゃあ、一年間ずっと一緒にいたわけだからね。
お互いもう、手加減も遠慮もない仲だよ。

ふーん。

泉……さんは、どうしてうちの学校に来たの？

え？

いや、セラスさんは見るからに『スクールアイドル最高』って顔してるけど、
泉さんはなんか、ちょっと距離あるっていうか。

言っただろう。 あなたたちに恩返しがしたかったから、って。

……でもそれがぜんぶじゃない気がする。

ふふ。

な、なんで笑うん！？

案外、ちゃんと人のことを見ているじゃないか。

吟子ちゃんも、もう二年生だからね！

関係ないし……。 ほら、白状して。

面白そうだったから、だよ。

面白そう？ あたしたちの新しい夢が？

あなたたちの存在そのものが、かな。

存在……？

私はね、面白そうなことをしている人たちが、好きなんだ。
一緒の輪にいたい。 成功も失敗も、そばで見ていたいと思うね。

なにそれ……。

泉ちゃんって、ひょっとして寂しがり屋？

ふっ、ふふふ。

そうだね、そうかもしれない。

だったら、あたしたちスリーズブーケに入れば、
きっと毎日賑やかに楽しめるよ！ ね、吟子ちゃん！？

賑やか担当は花帆先輩だけでしょ！

吟子ちゃんだって伝統の話になったら、止まらなくなるじゃん！

私はたまにやもん！ 花帆先輩の半分以下！ 十分の一！

セラス、スクールアイドル、すき。
わたし、はいる。 スリーズブーケに……。

ほんとに！？ わあ、嬉しいなー！

いや……体験して決めるって言ったんだから、他のふたつも見てきなよ……。

うっ……それは確かに、そう……！

わかった……見てくる……。
スクールアイドル様の仰られる言葉でございましたら……。

なんかヘンじゃない！？ この子！

セラスは最初からずっとヘンだよ。
私と出会ったときから、ずっと。