第17話『ルリ思う。』

PART 7

えな
あ。
びわこ
瑠璃乃ちゃん。
瑠璃乃
やほ。 ねえねえ、めぐちゃん見なかった?
えな&びわこ
えっと……。
えな
慈先輩なら、さっきあっちに……。
瑠璃乃
お、ありがとー。
びわこ
でも。
びわこ
なんか、すごく怖い顔してたよ……?
足は動く。 違和感もない。
でも……。
瑠璃乃
……めぐちゃん?
っ。 ……ごめ、るりちゃん。
ちょっとさ、休憩がてら景色が見たくーー。
瑠璃乃
さすがに苦しくない?
……。
瑠璃乃
ねえ、めぐちゃん。
瑠璃乃
ひとりで悩まないでよ、めぐちゃん。
こう言っちゃなんだけど、ルリ頑張ったと思う。
瑠璃乃
スクールアイドルのことだって、
前よりめぐちゃんと色々話せると思う。 だからーー。
分かってるよ。
るりちゃんは頑張ったよ。 すごかったよ。
瑠璃乃
じゃあなんでルリがいないとこで練習してるのさ。
合わない理由とかならルリも、
瑠璃乃
ルリも一緒にちゃんと考えるから!
……るさいなあ。
瑠璃乃
え?
うるさいなあって言ったの!
瑠璃乃
見て分かんない? 私が出来てないの!
私がるりちゃんに遅れてんの! もう見せたくないの!
瑠璃乃
めぐ、ちゃん……!?
るりちゃんは私よりずっと、スクールアイドルのこと分かってたよ!
私の負け! ぎゃふん! るりちゃんの作戦大成功!
瑠璃乃
くぅ~~~~!!
そこまで言うことないじゃん!!
私がやんなきゃ!
るりちゃんが考えたって意味ないの!
わざわざ離れたんだから分かってよ!
るりちゃんならもうちょっと気を遣ってくれると思ってた!
瑠璃乃
なんだよ、それ!! めぐちゃんのばーか!!
勝手にしろ!!
瑠璃乃
なんでっ……なんで、こうなるんだよ!!
ばかじゃないし! 勝手にするし!
ああもう……!
なんでこうなっちゃったかなんて、私が知りたいよ……。
綴理
あそこで……るり萎れてない?
花帆
わ、ほんとだ!
瑠璃乃ちゃーん!
瑠璃乃
あっ……花帆ちゃんに、綴理先輩。
不思議セット。
綴理
チーム自由。
花帆
わ、いいですねそれ!
瑠璃乃
あはは……ごめ、ちょっち充電切れ気味だから……。
花帆
うっ……じゃあお邪魔だったよね……。
綴理
チーム自由は屈しない。
綴理
みらくらぱーく!だけ、おかしい。
花帆
えっ。
瑠璃乃
まあ、うん。
スリーズブーケもDOLLCHESTRAも、うまく行ってるんですよねー。
綴理&花帆
うん……。
瑠璃乃
ルリだって、思ってたことをまとめてさ。
瑠璃乃
ちゃんと、めぐちゃんにもルリの気持ちを伝えられたはずなのに……
どうしてこうなっちゃったんだろう。
綴理
めぐは、なんて言ってた?
瑠璃乃
出来てないのは私、って。
瑠璃乃
でもそれ、ルリにはあまりピンと来なかった。
綴理
かほ、分かる?
花帆
え!? 慈センパイのことですか?
綴理
そう。 今のめぐのことは、今のかほが知ってる。
瑠璃乃
えっ。
花帆
えぇっと?
えっと、そうだなあ。 慈センパイができてない……?
花帆
でも、あたしとライブやってたときの慈センパイは、
相変わらず凄かったですし。
花帆
改めて瑠璃乃ちゃんと組み直したって、
慈センパイが見劣りするってことは……ないと思う、んですけど……。
綴理
だったら、気持ちの問題?
花帆
ただ単に息が合わなくなったのを、
慈センパイが自分のせいだって思ってる……ってことですか?
花帆
でも、それって……。
瑠璃乃
じゃあやっぱり、ルリが勝手だったのかな。
綴理
……るり。
綴理
ボクはめぐと組んでないから、めぐのことは分かんないけど。
るりのことはちょっと分かるよ。
綴理
きっと、今のるりだから出来ることがあると思うんだ。
瑠璃乃
今の、ルリだから?
綴理
ステージの上から、るりがみんなにお願いしたこと。
綴理
すごく綺麗だったよ。
あのときのるりは、明るい桃色に、きらきらしてた。
綴理
みんなに元気を分けてあげて。
綴理
そして、元気がなくて、るりが知らない子にはーー
みんなから気持ちを届けてあげてとお願いして。
瑠璃乃
……。
綴理
るりは、目の前に元気のない子がいたらーー
それが誰であっても、元気にしてくれる。
綴理
ねえ、るり。
きみはめぐの幼馴染だけど、もうそれだけじゃない。
綴理
きみはひとりのーースクールアイドルだ。
瑠璃乃
そっか。
そりゃ……そうだ。 綴理先輩。
瑠璃乃
花帆ちゃんも、ありがとね。
花帆
えっと……力に、なれたかな。
瑠璃乃
言葉にできなかったこと、
今なら伝えられる気がするんだ。
瑠璃乃
ルリはーー
スクールアイドルだから。